清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第135話)

第135話:「解説」は「解釈」を深めるためのガイド役です。

 書店を回ることが好きです。今の時代の風を感じるには、多様な商品の実験場であるコンビニエンスストアやドラッグストアがありますが、もの以外の空気感や注目の動きを知るのに書店は格好の情報集積拠点です。多くの書籍が目に入ります。かつては、書店の陳列棚のガイドに添って見て回ると、何となくその分野の全体傾向を見て取れることはあったのですが、最近はテーマ自体が錯綜しているので、書店の陳列棚のガイドが余り役に立たなくなっています。かなり幅広く動き回って、自らがその内容を確認していかないと、多様な動きの連関図が描けなくなってしまいます。

 ビジネスの分野にあっては、毎週のようにさまざまな書物が店頭に並びます。ある程度今までの蓄積を持った領域のものであれば、書のタイトルではなく著者の名前を見るだけで、おおよそその内容までを連想することが出来ます。

 しかし、不案内な領域や知識の集積のない分野になるとなかなかそうはいきません。先ずは大まかに分野のことの「解説」を読んでおかないと、全体を俯瞰することが出来なくなってしまいます。一通りの解説が頭に入れば、その後は周辺情報を取り込んで、自分なりの「解釈」をします。解釈の違いが一般的な見方とずれていないかを確認するために、また「解説」を読み解きます。その繰り返しによって、自分なりの考えが熟成していくものです。

 しかし、最近のマーケティング・スタッフの行動様式を見ていると、情報検索のための手段は豊富に与えられたからでしょうか。その内容を咀嚼して自分なりに「解釈」するよりも、他人の「解説」を聞いて終わってしまうような、行動力の希薄化も見られてしまいます。深みのない上辺の変化にのみ驚きを見せる生態が見え隠れするのです。

 心すべきは、自分なりの「仮説」の設計です。他者の「解説」をいくら記憶のファイルに詰め込んでも、それだけでは新しい構想は生まれてきません。

 構想は、自己「解釈」の産物なのです。(第136話に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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