清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第119話)

第119話:「平易」に語ることが説明。「低位」に流れるではありません。

 漢字を読めない子どもが増えているというニュースを聞きました。一つの例として、「挙手」という字も「きょしゅ」と読めない。読めないのだから、その意味もわからない。であるならばと、その読み方を徹底して伝えればよいものを、そうはせずに「手を上げる」と表現して皆に伝えようとしたとか。確かに、クラスの中での決め事を「挙手によって賛否を問う」というよりも「手の多く上がった方を採用する」といった方が平易な説明の感じはします。でもそれで良いのか、との疑問が浮かんできます。

 熟語で語った方が、無駄な説明を要さずに早く意図を伝達することが出来るケースも多くあります。更には、漢字の音訓を理解するのも促進される機会になる筈です。そのようなことをせず、ただ、意味することを結果中心で伝えようとすることを疑問に思いました。熟語自体を学習して、その言葉の成り立ちの原点もあわせて学ぼうとすることもしないままです。平易に語って説明しているつもりが、いつの間にか「低位」な情報を提供していることになってしまうのではないかと思います。

 日本語の乱れが言われますが、乱れていると見るよりも「動いている」と見るべきではないでしょうか。ただ、その大きなうねりが、本来の意味を曲解したり、簡便な説明で終わってしまったのでは、考えることを放棄した社会になってしまうような気もします。

 マーケティングでは、送り手の想いを多くの未知なレベルにある受け手に発信し、相互理解を促進しようとします。ある商品やサービスに対して未知な状況にある受け手はいますが、決して「無知」ではありません。学習体験を生み出すためにも、難解なものを平易に語る必要はありますが、自らが学ぶ姿勢を持たなければ、「低位」な情報発信をしてしまう恐れがあるように感じてしまいます。

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第118話)

第118話:プロジェクトの運営は「縁」の連鎖を生み出すことです。

 同じ職業を長く続けていると、実にさまざまな出会いの中で自らが生かされていることを実感します。自分自身が出来ることは、何と狭く小さいことかということも思い知らされます。あるプロジェクトを想定しても、自分が果たした役割と領域は何だったのかと自問することが多くあります。「籠に乗る人担ぐ人、そのまたわらじを作る人」とはよく言ったもので、皆が籠に乗ったのでは本来の機能を果たすことが出来ません。

 マーケティングの領域では、さまざまな機能を統合することが求められます。一つひとつの機能がいかに優れていても、その連携効果を考えていなければ、大きな成果を期待することは出来ないからです。

 仕事の機能は、個人に依存することが多くあります。ということは、プロジェクトを円滑に進めるためには、どれ程専門性を持った人を知り、その知見やノウハウをいかにうまく使うかということが鍵になります。調査の分析は得意だが、仮説発想をすることが苦手な「分析脳」のスタッフ。逆に資料を読み込むのは苦手だが、面白いことを考え出すことなら誰にも負けない「発想脳」のスタッフ。共に苦手だが、場の雰囲気を整えプロジェクトを円滑に進める「潤滑脳」のスタッフ・・・。さまざまな脳が、ある目的によってお互いの力を出し合おうと働きかける。そこに連鎖構造が生まれ、新たな知見が偶発的に生まれてくることがあります。

 人との出会いは、相手を深く知ることによって、さも幼少の時からの友人であったような関係になることがあります。そこまではないものの、ちょっとした会話から自分のビジネスへのヒントとなる発想を得ることもあると思います。

 現在のビジネスは、過去モデルの繰り返し演習の環境にはありません。自分の頭で創造(想像)する環境です。従来以上に、知恵の連繋が求められているのです。単なる情報を超えた、人的なネットワークも必要です。

 今の時代。それは、「ビジネス縁の連鎖構造」を創出したものがリーダー役を担う時代ではないかと思います。(第119話に続きます)

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戦略を考える基本(BASICS)を知る。

第18回:戦略は「構想」→「構造」→「行動」の連繋を考える。

 戦略を考え組み立てるのは、現状を解析することに止まらず、未来への道を描くことが中心です。どうしても一人の発想だけでは、考え自体が狭い領域に止まってしまうことがあり、他者との議論を通じて、視点を多様に持つことが大切です。
 その際には、常に「構想」→「構造」→「行動」の連繋を心掛けておかなければなりません。
 また、戦略の組み立ての際の基本を押さえているかも見直したいものです。基本はBASICS。頭文字で覚えておくと、自分自身のチェックリストにもなります。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第117話)

第117話:生活者の「ご近所」を知ることは暮らしを知る糸口になります。

 現代の都会生活では、自分たちの生活は自分たちなりにデザインするものとして、身近にいる他者に対して、さほど関心を示さなくなったようです。長く隣り合わせにくらしていながら、その隣人の名前すら知らずに過ごしている場合もあるのですから、そこの家族構成は知るよしもありません。家路を急ぎながら、たまたま同じ方向に歩く普段見かけない人に出会ったと思えば、隣りに住む人であったなどという話を聞くことすらあります。

 そもそもわが国の文化には、近所との深い付き合いがあったはずですが、いつの間にか希薄になり、それ以外の分野での「5つの近所=ご近所」が出来てきてしまったようです。

 1つには「情報的近所」。一度も直接会ったこともなく、会話を交わしたこともないにもかかわらず、テレビを通して毎日のように顔を見ていると、いかにも自分の身近な友人の一人にでもなったように感じる近所感。吉本興業の芸人などは、近所の一人かもしれません。

 2つには「時間的近所」。デリバリーの拠点がどこにあるのかは承知しないにもかかわらず、頼んだピザは30分程度で自宅にまで届きます。時の短さは、個人的に近所の店です。

 3つには「空間的近所」。次々にオープンする開発された地域があります。丸の内、日本橋と旧来の街が様を変えました。そのような同質的地域に足を踏み入れると、同類の人種ばかり。何となく自分もその中の一員と信じて安心するのでしょうか。

 4つには「精神的近所」。距離的に離れて暮らしているが、常に身近な存在である田舎暮らしの両親や、学生時代の友人などは、この部類の近所でしょう。

 そして5つには「人間的近所」。年齢的には離れていても、その人の生き方や行動に共感を覚えるような、個人に対する近い意識です。

 こう見てくると、まさにさまざまな近所意識があるものです。敢えて5つの近所感から「5(ご)近所」とでも言えるでしょう。マーケティングを展開する企業は、生活者にどのような近所感を提供しようとしているのか、常に考慮しておきたい点のひとつです。(第118話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第116話)

第116話:「むかしばなし」は想像力を養うもとになると思うのですが。

 現代の生活を見回してみると、話しかける相手が人間ではないものが多いのに気が付きます。TVの番組を見ていても、一方的に流れてくる情報に、ひとり相槌を打ったり、反発したりすることがあります。パソコンを開いてインターネットに繋げば、その小さな窓からのぞかれる世界が全世界になってしまいます。語るべき相手がいないので、どうしても独りよがりな解釈がまかり通ってしまうことも多くなるようです。

 かつて日本には、子どもに聞かせる「むかしばなし」というものがありました。今も勿論あるのですが、どうも様子が違っているように感じます。そもそも「むかしばなし」は場所を特定したり、時を特定したりといった現実を語るのではなく、そこに隠されている思想や人として守るべき根本を伝えるものだと思います。だからこそ、多くの話が「むかし、むかし・・・」と時を特定せず、「あるところに」と場所を特定することなく話が始まります。登場人物も、歳を重ね徳を積んだと思わせる「翁(おきな:おじいさん)と嫗(おうな:おばあさん)」と決まっていました。

 「欲深い思いでいると罰があたる」「善行を積むと巡り巡って善いことが訪れる」「目立たないことでも良い行いは報われる」「邪悪はいつか滅びる時が来る」・・・・。人の生きる基本の道を告げているもので、「勧善懲悪」の思想が底流にあったように思います。子ども心にも、その思想が植えつけられていったものです。

 ところが最近、桃太郎に登場してくる「犬・雉・猿」は、他の動物でも良いのではないかといった発言を聞きました。物語に登場してくるのは確かに動物ですが、それはあくまでも置き換えです。犬は「忠義」、雉は「勇気」、猿は「知恵」の置き換えであり、それを束ねる桃太郎は、まさに人が持つべき「仁」と理解することが出来ます。

 人との会話が乏しくなると、目の前に示されたもののみをリアルとして理解してしまうのでしょうか。とすれば、創造力の原点である「想像力」が養われるいとまがなくなってしまうように思うのですが。(第117話に続きます)

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