清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第122話)

第122話:社会的な口伝(くでん)が常識心を育むと思うのですが。

 最近は「しゅうかつ」に二種類の漢字が当てはまるようです。「就職活動」の「就活」。そして人生終盤期の「終末活動」を言う「終活」です。歳重ねた身としては、個人的には後者を心すべきことかと思いますが、未来をつくり行く前者の「就活」をしている若者のことが気になります。

 社会人と呼ばれて数十年も経過すると、ふと思い起こすことがあります。幼い頃、誰言うことなく「口伝:くでん=口頭で伝えること」で染み付いた幾つかの習慣のことです。

 「“ハイ”と返事の良い子供」「嘘つきは泥棒の始まり」「ハンカチ,ちり紙忘れずに」「今日も頑張って・・・」「ご飯を残すのはもったいない・・・」「生き物をいじめると罰(バチ)が当たる」「今日出来ることは明日まで延ばすな」・・・

 一つひとつの言葉を、どこで誰から聞いたのかは定かではありません。小学校の折の担任の先生からであったか、家で父か母からか、または3歳まで存命であった祖母からであったのか、それぞれの場面の記憶はありません。あるのは、その言葉の持っている意味です。

 社会生活を営む上で必須の要件の幾つかです。R.フルガムの著した「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(河出出版)を思い起こします。幼い頃の刷り込みは、半世紀以上の生を受けた今になっても忘れることはないもの。特に「ハイ」の返事です。

 最近の若いビジネスパーソンと話をしていて気になることは、返事が聞こえないことと、単語の言いっ放しにあります。ファストフード店でのオーダーで「ハンバーガーとポテト」と、単語だけでのコミュニケーションの類です。

 社会的な口伝が乏しくなったのでしょうか。また、孔子が子どもに教え伝えた「庭訓:ていきん=家庭の教訓」が薄くなったからでしょうか。(第123話に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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