清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第171話)

第171話:一年を思い起し、次の年を思う「望年」の時。

 ここ数年、ネットを介した年賀状も多く見られるようになりましたが、年始の変わらぬスタイルとして、今も私は年賀状を送っています。人によっては、住所確認の意味合いもあるかと思うのですが、私は、個人的に思う一年の抱負を短文で書き綴ってきました。

 改めて今読み直してみると、その時代時代のビジネスの様子を伺い知ることが出来るものです。この3年間に書き綴った年賀文を並べてみると、その時代の想いが透けて見えることがあり、ここ数年の環境変化を思いながらも、変わらぬ志を語り続けています。想いは不変であることを実感します。

2017年
小さなモンスターを探し回って時を刻むより、身の回りの不思議な現象を考える時をもつこと。重ねた経験で解決策を探すことを善しとせず、一つひとつ丹念に取り組むことを心してきました。
「器用にこなす能力」と「頭に汗する脳力」に悩む力も活かしながら次代に続く明日を見つめ、地に足つけたマーケティング・スタッフとして、変わらず元気な歩みを続けていこうと思います。

2018年
考えることは楽しいことと心に刻んで長き時。歩み来たたくさんの過去と会話をすることよりも、まだ見ぬ未来と会話をしながら歩を進める日々。
昨日までに刻んだ時は、明日への道のガイド役。多分野の知と出逢い、学び行く志を胸にだき、小さなことにも「頭に汗する」ことを忘れずに、重ねた知を今に活かした次代への伝承役として、着実に未来への歩を刻んで行こうと思います。

2019年
巡りくる暦の日々の長さは同じと知りつつも刻まれる時のテンポを倍速に感じて歩む今。画面を通じた短い言葉でのやり取りよりも、人との出逢い話し合いを大切にしています。
来し方に紡いだ知が、行く先を照らします。学ぶ志と拓く熱を忘れることなく心に刻み、「時代の知を次代へと繋ぐ」スタッフとして地に足つけて未来に続く道を進み行きます。(第172話に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

10冊目の新書が出ましたので是非お読みください。

清野裕司の「ビジネス心論」


今、マーケティング・スタッフには効率よく作業をこなすためのスキルを高めることよりも、幅広い視野で変化を敏感に捉える感度(センス)が問われています。起きている現象を見る目だけではなく、時にもう一つの目(心眼)を開いて、今迄と今を見直し、明日への道を切り拓いて行くように、自らの心に問う学びの志です。
学ぶこと考えることの楽しさを知った自らのビジネス体験を、次代へと歩み行く方々に伝承しておきたいと考えて「心論」と題しました。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第170話)

第170話:社会のお目付け役「世間さま」はどこに行ったのでしょう。

 今を生きていながら、日々のちょっとしたことに変化を感じることがあります。今まで自分なりに当たり前と思っていたことが、そうではない状況として見えてくる時、何故だろうと不思議な想いが巡っていくもの。そのきっかけが何であったのかが、後になってわかることもあります。社会の変化は、時計の秒針的にコツコツと眼に見えて動きのわかるものと、長針的に日々の変化に眼をやるもの。そして短針的に何となく気がつけば変わっていたということがあるようです。余り秒針的なことばかりを追い求めていると、肝心な数年前との大きな変化を見落としてしまいます。

 1970年代初頭に登場したファストフードは、それまで、歩きながら、しかも手に持ってモノを食べることを、はしたないと教えられてきた呪縛を解き放ちました。80年代初頭のOA(パソコン)革命は、難解なコンピュータ言語を遠くへ追いやり、90年代後半からのIT革命やインターネットは、個人の情報行動の範囲を広げ、自分自身の判断による情報選別の必要性を強く持たせるようになりました。こうしてみてくると、何となくこの10年近くで我々は自分の殻の中に納まり、他との干渉を拒絶する自己中心的な生活価値観を持つようになってしまったように思えることがあります。

 周りに眼をやることをせず、自分の生活行動をそのまま公共の場に持ち込むような「車内化粧」や「車内スマホ」。自分の欲求を瞬間的に発現する「性的犯罪」。この世の中は二人を中心に動いていると誤解する「車内抱擁」。取り上げれば、秒針的な変化は、あたりかまわずです。

 元号を飛び越しても、それ程の昔ではない「昭和」という時代には、この国に「世間」とういお目付け役がいたように思います。どうやら最近「世間さま」はどこかに行ってしまって、あたりかまわぬ気風がこの国を覆っているように感じます。寒さは、冬に向かう季節のせいだけではなさそうな「世間」です。(第171話に続きます)

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