マーケティング思考の姿勢と行動の頭文字は「K」。

第19回:マーケティングは「4K+4K」の継続である。

 ビジネスの環境を語る折に「K」を頭文字にした言葉がよく使われるようです。かつて「きつい」「汚い」「危険」の3Kが言われたこともあります。

 してみると、マーケティング思考も「K」で語ることが出来そうです。ビジネス姿勢の基本に「勘/経験/根性/感性」が必要なことは、どのような分野にも当てはまります。ただ、それだけでは不十分。行動が伴わなければなりません。

 マーケティングの実践行動では「関係(絆)/気づき(提案)/こだわり(志)」をもって、顧客に「感動」して頂けることが重要です。日々の思考と行動に「K」が問われているのです。

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第123話)

第123話:買物をしていて「狩猟民族」に出逢ったことはありませんか。

 季節の変わり目に衣料を買おうと、たまにデパートに行くことがあります。元来が何かを求めようとする目的を持ったラウンドなので、それ程の滞留時間ではありません。その限られた時間の中でも、さまざまな体験が出来るものです。

 時として、フロアーに居る人の数のうち、購入予定の顧客よりも販売予定の販売員の方が多い場合があります。そのような空間に一歩足を踏み入れたときが悲劇です。さながら速射砲のように、言葉が耳に突き刺さってくるからです。当方が、ゆっくりと商品を吟味しているときにです。デザインや色・柄・サイズと、基本の購買インデックスに沿って品定めをしようとしていると、こちらから声を掛けることもなく、声を掛けられます。「こちらのは、いかがですか・・・この色などお似合いかと思います」・・・と立て続けです。こちらの好みの色やデザインなど、そもそも聞く耳すら持っていない、一方的なのです。

 「購買予定の顧客と親密な関係をとり、繰り返して来店されることを促進しよう」などの考え方は微塵も見えません。そこに居る顧客は、さながら自分が捕獲すべき獲物。獲物に対して話など聞く必要もない、自分の思いをただ告げて、交換(販売)が成立すればそれで良し、といった空気を感じさせます。じっくりと育てようといった、農耕的な発想が全く見えず、狩猟的なのです。

 獲物の側でも、ちょっと聞きたいことがあるのです。「他のサイズはありませんか?」遠慮がちに聞く。「出ているだけです」。何ともむなしい風が吹き抜けていきます。

 そそくさと、狩場から逃げなければ・・・の心理が働いてしまうもの。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第122話)

第122話:社会的な口伝(くでん)が常識心を育むと思うのですが。

 最近は「しゅうかつ」に二種類の漢字が当てはまるようです。「就職活動」の「就活」。そして人生終盤期の「終末活動」を言う「終活」です。歳重ねた身としては、個人的には後者を心すべきことかと思いますが、未来をつくり行く前者の「就活」をしている若者のことが気になります。

 社会人と呼ばれて数十年も経過すると、ふと思い起こすことがあります。幼い頃、誰言うことなく「口伝:くでん=口頭で伝えること」で染み付いた幾つかの習慣のことです。

 「“ハイ”と返事の良い子供」「嘘つきは泥棒の始まり」「ハンカチ,ちり紙忘れずに」「今日も頑張って・・・」「ご飯を残すのはもったいない・・・」「生き物をいじめると罰(バチ)が当たる」「今日出来ることは明日まで延ばすな」・・・

 一つひとつの言葉を、どこで誰から聞いたのかは定かではありません。小学校の折の担任の先生からであったか、家で父か母からか、または3歳まで存命であった祖母からであったのか、それぞれの場面の記憶はありません。あるのは、その言葉の持っている意味です。

 社会生活を営む上で必須の要件の幾つかです。R.フルガムの著した「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(河出出版)を思い起こします。幼い頃の刷り込みは、半世紀以上の生を受けた今になっても忘れることはないもの。特に「ハイ」の返事です。

 最近の若いビジネスパーソンと話をしていて気になることは、返事が聞こえないことと、単語の言いっ放しにあります。ファストフード店でのオーダーで「ハンバーガーとポテト」と、単語だけでのコミュニケーションの類です。

 社会的な口伝が乏しくなったのでしょうか。また、孔子が子どもに教え伝えた「庭訓:ていきん=家庭の教訓」が薄くなったからでしょうか。(第123話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第121話)

第121話:ビジネスには「損得」以外の判断基準もあるものです。

 情報社会の申し子のように、私のオフィスには一日に何回もの営業電話がかかってきます。「コピー機を入れ替えないか」「新しい投機用のマンションがあるので購入しないか」「株を買わないか」「穀物の相場に投資しないか」「プロバイダーを変更しないか」「オフィスを替えないか」・・・。多いときには、一日に5件~10件、時には私の個人名を指定して電話がある場合もあります。止む無く電話を取る。例によって例の通りの営業トーク。しかも、煽るような話し振り。何をそれ程急ぐのか。相手に考える暇を与えない術なのでしょうか。

 私の答えはいつも同じです。「現在考えていない」「特段の不便も感じていない」「そのようなことに興味は無い」といった類です。相手もある程度予想していた答えなのか、私にとって予想通りの答えが返ってきます。「今、取り掛からないと“損”ですよ」「こんなにお“得”な話に興味が無いとはもったいない」「今まで使用のものでは“損”しますよ」・・・等々。どのコメントも「損か得か」を盛んに投げかけてきます。「損か得かということ自体に興味が無い」と答えれば、「会社を経営している人が、それはオカシイ」と言われてしまう始末。自分の考えや信念は、不思議なことなのでしょうか。私にとってみれば、ごく当たり前のことなのですが。

 いつの頃からか、世情「損か得か」「勝ち組か負け組か」の二者択一的な志向性が強くなってしまったように感じます。どちらともいえない評価もあるはずです。また、金銭的な多寡によって判断しない分野もあります。私のマーケティング・マインドは、「損得」ではなく「善悪」をもってしています。ある場面では良いのだが、違う場面では似つかわしくないといった事もあります。

 ビジネスの世界にあって二者択一の判断をする場合も、「損得」だけではない判断基準を持っていたいのですが。(第122話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第120話)

第120話:記録メディアより自分の記憶メディアが思い出を語ります。

 海外の名所旧跡の前で、おもむろにカメラを前に笑顔をつくる姿。日本からの団体観光客ご一行様の基本パターンとして、長く定着した光景でした。今も時おり見かけるスタイルで、決して悪いことではないと思います。自分の訪問した証を、何がしかの形にして残しておきたいという気持ちからの行動でしょう。最近は、そのカメラがほとんどデジカメやスマホです。

 風景の中にいる自分だけの世界を残そうとして、人が自分の前をさえぎらない瞬間を待ちながらシャッターを押す。公道でも、人が写真を撮っていると、遠慮がちに前をすり抜けていく。なぜそこまで気を遣わなければならないのかと思いつつも、お互い様の意識が働くのか、多くの人が同じような行動を取ります。自分自身のある瞬間を、とり残しておきたいとの想いは時を超えて同じようです。その際に、切り取った時間と空間をどのようなメディアに残しておくかが注目されます。

 かつてはフィルム。数日待って出来上がった写真を見て、思い出話に花が咲く・・・といった生活場面が思い浮かびます。自らの行動が、記録として残ります。それがいつの間にか、CDになりMOになりSDカード・HDDになりと、小さくなることは勿論、数日を待たずして、即刻残像を見ることが出来るようになりました。思い出としてよりも、その瞬間を確認するような行動へと転換したのです。

 外部にあるメディアに記録を残せば、その時の情景が再び想起されてきます。しかし、人は何よりもすばらしいメディアを体内に持って生活しているのです。記憶する脳。外のメディアではなく内なるメディアです。そこに何を書き込んでいるのでしょうか。旅行記,随想,記録の日誌でしょうか。

 「記録」のメディアは、本人の「記憶」のメディアの内容を確認する補助役に過ぎません。「記録」メディアにこだわってデジカメをわがもの顔で使うことよりも、脳にある「記憶」のメディアを常に鮮度高く磨く感性を持つことが、思い出の増幅には役立つものだと思うのですが。

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