清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第187話)

第187話:3つの「しごと」を考えて自分自身を知る。

 今を生きるわれわれの社会では、実に様々な仕事があります。

 モノを「つくる」ことを想定しても、まずは「創る」べきものをどのようなものにするかを「考える」。そして、一度にたくさんのモノを「造る」手段を考え「実践する」。できたものを間違いなく梱包して適すべきところに「運ぶ」。そのモノの存在や利用の便宜性を知らせるためのストーリーを「作る」。店やネットを介して最終のお客様にモノを「届ける」…等々。

 それぞれが無くてはならない、社会的な連鎖を形成する仕事です。どこかが欠けてしまったり、その役割を発揮していなければ、代替の方法を生み出すか、違うやり方を考え出さなければならなくなります。仕事は、ある断片のみで成立しているのではなく、様々な役割の連携によって成り立っているのです。

 その役割を自分なりに考えると、自分の「仕事」は何なのかが浮かんでくるでしょうか。そして、今実践している自分自身の仕事を、少し離れて考えると、自分自身は何をしたいと思っているのかの「私事:しごと」という見方もあるでしょう。また、どのような想いをもって仕事をしているのかを自らの胸に問い直す「志事:しごと」もあります。

 いわば「しごと」は「仕事」「私事」「志事」の3つが重なり合って、初めて自分自身の「しごと」は何かが見えてくるのではないでしょうか。

 私の場合、仕事は「考え、聞き出し、纏め、創る」こと。

 「私事」としては「知らざるを善しとせず学び行く、いわば『学道』を行く」こと。

 そして「志事」は「積み重ねた知を次代に繋ぐ『伝道』」と考えます。

 改めて、一人ひとりが自分自身の3つの「しごと」を考えてみて下さい。

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

10冊目の新書が出ましたので是非お読みください。

清野裕司の「ビジネス心論」


今、マーケティング・スタッフには効率よく作業をこなすためのスキルを高めることよりも、幅広い視野で変化を敏感に捉える感度(センス)が問われています。起きている現象を見る目だけではなく、時にもう一つの目(心眼)を開いて、今迄と今を見直し、明日への道を切り拓いて行くように、自らの心に問う学びの志です。
学ぶこと考えることの楽しさを知った自らのビジネス体験を、次代へと歩み行く方々に伝承しておきたいと考えて「心論」と題しました。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第186話)

第186話:同じことも違う表現を使うと気分も違ってきます。

 長きにわたってマーケティング・スタッフとしてビジネスライフを過ごしていると、現在進行しているプロジェクトの行く末が見えてしまうことがあります。何となく滞っているようだが、プロジェクトメンバーの誰かが一寸した気づきを得れば、一気に脱皮して進化が期待できる状況。逆に、現状では何となく問題もなく進んでいるようにみられるが、根本的な議論を避けてしまっており、いずれ大きな壁にぶつかりそうなもの。共に、アドバイスをすべきかどうかを迷う瞬間です。

 ふと声をかけます。そのような折の発言での慣用句が、「老婆心ながら・・・」。その後に、いくつかの着眼点の追加や、修正ポイントの根拠を示します。プロジェクトを進めているメンバーにしてみれば「余計なお節介」の声になるのでしょうか。まさに岡目八目、外部から見ている方が全体の状況やプロジェクト進捗を俯瞰してみることができるものです。

 しかし、ここで使いにくい言葉が「老婆心」です。そもそも「老婆心」とは「年取った女性の親切心が過ぎて、不必要なものまで世話を焼くこと」(広辞苑)とあります。あまり良い意味では使われず「余計なこと」のように言われてしまいます。また私自身、老婆ではありません。

 そこで、長きにわたる知己であるコピーライターに言葉をひねって貰った。返ってきた言葉が「好爺心:こうやしん」。確かに「好々爺」という言葉もあります。「人のよい老人。にこにこしたやさしそうな老人。」(広辞苑)の意味を持っています。

 あまりやさしそうな印象は自分にはありませんが、マーケティング実践の折には、「好爺心ながら」プロジェクトへのアドバイスを続けていこうと思います。先人の足跡がすべて正しいわけではありません。しかし検証をすることも必要です。そう思うこと自体がすでに「好爺心」かもしれませんが。(第187話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第185話)

第185話:経営指標の「CS」を今一度見直す時です。

 前世紀の終わりに、公益社団法人日本マーケティング協会が、「21世紀の経営指標として重要なことは何か」という企業トップに対する調査を実施しました。その結果、20世紀には、売上や利益といった数値のことが経営指標として取り上げられていたことが、21世紀は、「CS:顧客満足」「スピード」「アンビション:志」の3つが上がりました。

 経営判断の第一は、決して「売れるか売れないか」ではなく、「お客様の満足を得られるかどうか」として取り上げられました。CS(Customer Satisfaction:顧客満足)を判断指標にすることに反対する人はいないであろうと思われます。お客様の不満を得るための経営はあり得ませんから。

 第2位に上がった「スピード」は、業務プロセスの速さを問う「速度」と、問い合わせに対する反応の良さを問う「即度」の2つの「ソクド」として浸透していきました。何事も「拙速」であれば良いという極端ではなく、プロセスに限らないその場その場での対応力が問われるということです。

 そして第3位のアンビションは、企業としてのロマンであり将来的なヴィジョンでもあります。ポストコロナを思うと、自分たちが進むべき先にある社会や自社像はどのようなものなのかを、全社で考え共有することの重要性を感じます。トップが一方的に決めて指示のスタイルで伝達しても共有化にはつながりません。従って実効性も弱いものになってしまいます。

 以上の3つの中でも特に第一に上がったCSは、企業経営の基本的な指標として当たり前になってきているかと思います。ただ、ここで気を付けなければならないのは、企業の中で、キャッチフレーズのように「標語」をつくって、それをもってCSは共有化されていると誤解してしまうことです。

 CSは言葉ではなく、行動が伴って初めて組織の中の当り前になるのです。顧客志向という言葉も、実は「顧客思考」。「常に相手のことを考え続け、相手が喜ぶことをやり続ける」ことこそがCSに繋がる行動なのです。新たな時代のCSを考えるときだと思います。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第184話)

第184話:マーケティングの学習は「分析」と「総合」の繰り返しです。

 どのような分野であっても、人によって学ぶスタイルは様々です。先ずは、その分野の細やかな単語の意味を知って、それから全体を見直そうとする人。逆に、先ずは全体を俯瞰して理解しようと試み、学習のプロセスで出会った専門的な用語は、その都度調べて知るアプローチをする人もいます。

 どちらの道から学ぼうとも、知らなければならないことは、多様に広がっている要素の相互関係性を見直しながら、全体のことを把握することに変わりはありません。

 そもそも人が何かを理解しようとした際には、「わかる」「わからない」という仕分けた状況になります。「わかる」のは、先ずは自分の理解している範囲と、そうではない範囲とを分けてみる「分る」という段階があります。2020年の年始来世界を揺さぶっている「新型コロナウィルス」に関することも、知らないことが多く「分からない」ことが多岐にわたるので、そのことをもってして(どのように収束するのかの)全体も見えず不安な社会になっていると考えることが出来ます。

 そこで、ただ単に理解の度合いを分けるだけではなく、その内容までを知ろうとして「解る」状況になろうとします。「分って」「解る」。続けてみると「分解」になります。学びの原点は、細やかな要素分解にあるのかもしれません。そのレベルになってくると、少しは自分なりの納得度も出てくるので、全くの不安な状況から脱して、少し自分に言い聞かせる納得感が出てくるものです。

 しかし、細かく分けて理解を進めたならば、今一度全体を見直してみましょう。

 「分解」=「分析」:Analysisの対語は「総合」:Synthesisです。「木を見て森を見ざる」という諺もあります。

 マーケティングの学習姿勢でも、「分析と総合」を繰り返していかなければ、なんとなく「わかったつもり」になってしまい、現象の深堀や未来ガイドの設計が上辺だけのものになってしまう恐れがあります。気を付けたいことです。 (第185話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第183話)

第183話:「価値」とは何?「価値あるね」はどんなこと?

 今の時代の経営課題として、「価値創造」という言葉によく出逢います。言葉では何となくわかったような気になるのですが、ではいざ何をやればいいのかとなると、頭を悩ませてしまうことがあります。「価値」という言葉は便利な言葉だと思います。

 ある人にとっては「とてもいいもので、価値あるね~」と思ったとしても、他の人にとってみれば「それ程のことはないね」「何で価値あるって思うの」と疑問視が投げかけられたりもしてしまいます。それだけに、万人共通で「価値あるもの」というのは、なかなか生み出せないものと考えておいた方がいいでしょう。

 お腹の空いているときは、どのような料理でも目の前に置かれたものは、すぐにでも食べたくなるもの。でも、しっかりとお腹いっぱいに食べた後では、いかに自分の大好物が出されても「今は遠慮しておこうかな」と、積極的には手を出さないのではないかと思います。ですから「価値」というのは、利用しよう/購入しようと考える人の評価基準であると捉えることが出来ます。

 ある人にとってみれば「役に立つ」、ある人にとって見れば「さほど役には立たない」という評価があるでしょう。また「意味がある」と感じる人と「さして意味がないな」と感じる人もいるでしょう。「価値」はまさに提供者サイドが一方的にかつ標準的に決めていくのではなく、利用者(購入者)の受け手サイドが、自らの今の状況で判断していくものです。その状況によるのですから、「価値」は可変なものと捉えることが出来ます。一度、高い評価を得たことが、その後も変わらずに高い評価を維持し続けるとは限らないのです。

 また、今までの価値基準が比較的「役に立つ」モノやサービスに寄っていたような印象があります。これからの社会にあっては、より「意味のある」モノやサービスの評価が大きくなるのではないかと予想しています。「便利さ」の追求から「自己納得」の評価基準への転換です。

 ですから「価値」とは決して提供者が決めるものではなく、利用者サイドが決めることであることを忘れてはなりません。(第184話につづきます)

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