清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第138話)

第138話:マーケティング思考と行動は「あい」の複合だと思います。

 毎年12月に、その年の様子を言い表す漢字一文字が京都清水寺で発信されます。ここ数年は心躍る文字に出逢うことが少ないような気もします。昨2017年の第1位は「北」。何となく寒々しい想いが浮かんできます。2016年は「安」、その前が「金」です。

 さまざまな横文字が氾濫する中で、改めて漢字の持つ情報力を感じさせることがあります。その文字ひとつを見るだけで、何となく自分自身の生活や過去の体験が浮かんでくるものです。「薔薇」という字は書けなくとも、あの花が浮かんできますし、「憂鬱」という文字を見ただけで、何となく気分も暗くなる、といった類です。

 でば、「マーケティング」を漢字で表現すると、どのような文字があてはまるでしょうか。企業に限らず、さまざまな組織行動の多面的な視点を複合しているマーケティングを、一文字だけで全て語ってしまうのは無謀なことかもしれません。モノや情報の流れを円滑にする行動を捉えれば「流」という文字が当てはまるかもしれません。

 他者との関係を円滑にする循環思想と捉えれば、「還」といった文字も一面を言い当てているように思えます。

 一方マーケティングは、出会いの場の創造と演出とも考えられます。とすると、どうやら「あい」の音の漢字が当てはまりそうにおもいます。
 
 「会」:人が何かのモノやサービスに会う。
 「合」:その人にマッチした商品やサービスを考える。
 「逢」:親密な関係に出逢う。/「相」:常に相手のいることを考える。
 そして「愛」:他者への優しさをいかに現すかは本人の愛情表現。

 変化への適応を考えるマーケティング。そこに変化を見る「マーケティング・アイ」が必要なのも、「あい」を考える必要性を教えているのかもしれません。

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第137話)

第137話:「卒業」して次のフィールドに立つ季節ですが。

 桜の時を超えて、そろそろ夏の訪れを感じる時。学校を卒業して異なる環境に飛び込んだ若者が、時に気迷いの場面に陥る時とも言われています。しかし、朝夕に出会う人たちを見て、改めて「卒業」を考えることがあります。

 小学校を卒業して中学校へ、中学校を卒業して高校へ・・・と、一つひとつのステージの展開を変えながら上っていきます。そのステージで、自らが何を学び、何を得たかによって、次なるステージでの振る舞いを予見する節目にもなります。そこに「卒業」の意味があるように思えます。ある時は、直前の自分を振り返り、あわせて来るべき次のことを予見・予測して、期待と不安の中に迷い込むことがあるもの。しかし、何れにせよ今までとは異なる自分を夢想する節目であることに違いはありません。
 
 あるステージに立ったならば、こうあらねばならない,かくあるべし、といった堅苦しい規定の枠組みを提示しようとは思いません。しかし、何らかの変化の積み重ねが、個人的な生長を支援することは間違いありません。気づいた変化の積み重ねが、自らの進化に繋がるからです。どうもその変化の積み重ねが、今の時代は乏しいように感じます。「卒業」しない、あるいは出来ない人を多く見かけるのです。

 なりとしては30代の勤め人風なのですが、その振る舞いが何とも幼稚。自我を振りかざして、他者への眼差しを感じさせない人に出逢います。目を通す視覚情報が“少年”の名のついた漫画週刊誌。見かけは20代にもかかわらず、その前の学生ステージを卒業せぬままに今を迎えたような若者。青臭い人生哲学の話を聞きたいとは思いませんが、それにしても若者の会話の主題にTVゲームのキャラクター以外を聞くことがない場面に遭遇します。

 四角四面の枠をはめ込むことに納得は出来ませんが、自らのステージを一歩進化させるべき「卒業」は、季節を超えた日常の中で起きている自分自身の振る舞いへの気づきの中にあるように思えます。

 「卒業」しないのは学生に限ったことではありません。自らのステージを変えて、進化を想い続けた自分。半世紀近く前に大学を「卒業」した自分の今を振り返ることがあります。(第138話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第136話)

136話:「春」の語源は「張る:はる」とも言われます。

 3月の末から4月の上旬まで、何となく通勤の電車が空いています。通学者が春休みの期間です。ちょっとした読書空間になる時でもあります。その間は、たかだか2週間程度。4月も後半になってくると、再び喧騒の空間になります。「はる」は「張る」からの音とも言われます。蕾が日の光をいっぱいに受けて張り裂けるような状況が浮かんできます。新しい門出をむかえ、胸いっぱいに夢を膨らませて会社の門をたたく新入社員。鞄いっぱいに教科書を詰め込んで、よろよろと足元がおぼつかない小学1年生。新しい動きを感じる春です。

 それまでの静けさが嘘のように蠢(うごめ)きだします。思えば、蠢くという字も、複数の虫の文字の上に春がかぶさっています。わが国の動き始めは、やはりこの季節と言えそうです。

 多くの企業も4月からは新年度。トップからの年度の抱負を聞くときです。例年のように「厳しい企業環境の中・・・・」という言葉が前置きになりますが、それでも、「今年こそは・・・」の想いが大いに膨らむ時です。自然界の蕾だけではなく、自らの想いの種も膨らみを持っていくときだと思います。企業の行動は、何を想うかによってその後の進路が決まります。何も想わなければ、今までやっていることが当たり前になり、新たな変革を生むこともなくなってしまいます。企業トップとして、自社の事業の領域に縄を張ることから経営は始まります。その縄の張り具合を常に見ていくことが、経営行動のスタートなのです。

 春4月。胸を張って自らの未来を見つめる新人に多く出会いたいと思います。はるかな未来に向けて、声を張り上げて自分の航路を夢見て欲しいものです。張り裂けそうになった想いが現実のものとなっていくとき、ビジネスパーソンとしての歩みが始まります。

 「春」は「張る」。しおれた想いに活力を注ぎ込む季節です。(第137話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第135話)

第135話:「解説」は「解釈」を深めるためのガイド役です。

 書店を回ることが好きです。今の時代の風を感じるには、多様な商品の実験場であるコンビニエンスストアやドラッグストアがありますが、もの以外の空気感や注目の動きを知るのに書店は格好の情報集積拠点です。多くの書籍が目に入ります。かつては、書店の陳列棚のガイドに添って見て回ると、何となくその分野の全体傾向を見て取れることはあったのですが、最近はテーマ自体が錯綜しているので、書店の陳列棚のガイドが余り役に立たなくなっています。かなり幅広く動き回って、自らがその内容を確認していかないと、多様な動きの連関図が描けなくなってしまいます。

 ビジネスの分野にあっては、毎週のようにさまざまな書物が店頭に並びます。ある程度今までの蓄積を持った領域のものであれば、書のタイトルではなく著者の名前を見るだけで、おおよそその内容までを連想することが出来ます。

 しかし、不案内な領域や知識の集積のない分野になるとなかなかそうはいきません。先ずは大まかに分野のことの「解説」を読んでおかないと、全体を俯瞰することが出来なくなってしまいます。一通りの解説が頭に入れば、その後は周辺情報を取り込んで、自分なりの「解釈」をします。解釈の違いが一般的な見方とずれていないかを確認するために、また「解説」を読み解きます。その繰り返しによって、自分なりの考えが熟成していくものです。

 しかし、最近のマーケティング・スタッフの行動様式を見ていると、情報検索のための手段は豊富に与えられたからでしょうか。その内容を咀嚼して自分なりに「解釈」するよりも、他人の「解説」を聞いて終わってしまうような、行動力の希薄化も見られてしまいます。深みのない上辺の変化にのみ驚きを見せる生態が見え隠れするのです。

 心すべきは、自分なりの「仮説」の設計です。他者の「解説」をいくら記憶のファイルに詰め込んでも、それだけでは新しい構想は生まれてきません。

 構想は、自己「解釈」の産物なのです。(第136話に続きます)

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第134話)

第134話:「科学」と「技術」が結びつくと新しい時代が拓かれます。

 「科学技術の進化が、私たちの暮らしを豊かにしてきた」とは良く聞く言葉です。確かに、幼かった頃の自分の生活空間と現在を比較すれば、その違いは眼を見張るものがあります。子どもの頃に本を通じて見ていたハイウエイ。アメリカのTVドラマで見た大型冷蔵庫。映画で見た小型の電話(携帯電話)や位置確認のシステム(GPS)は、誰も「007ジェームスボンド」にならなくとも、普段の暮らしで使用することが出来るようになりました。飽くなき探究心の賜物と、その研究開発努力には頭が下がる思いがあります。

 しかし、技術力を駆使して利便性を追求するあまり、結果として同質的な商品が氾濫し、却って消費行動を惑わすようなこともあります。企業は何のために、誰のために存在するのかの問いに対して、社会発展のために、顧客のために・・・と言いつつも、無益な競争環境を自ら生み出してしまい、顧客の学習過程とマッチしない開発の速度を競う場面もみられることがあります。

 企業は競争環境の中で自らの技を磨くという宿命を背負っています。ただ時として、自らの技を商品化する技術優先で捉えすぎてしまうことが見られます。技術は作り出すものですが、その前に現象や社会変化を読み解く科学が必要です。科学と技術の一体化こそが、企業に求められるマーケティング行動です。

 科学的に見れば、人にとって画像は「記憶」の再現。これを技術的に見れば、画像は「記録」の保存ということになります。どうも最近の競争は、科学と技術の一面にのみ偏っているように見えてしまいます。

 そこで必要になるのは、企業自らが「自分のコアとなる強みは何か」をカタチに現す技術の面だけではなく、意志の面での再確認です。相手を知り、状況を読み解く。そこには科学的な検証が必要です。社会のために、顧客のために・・・と堂々と発信できるのは、「科学」に裏打ちされた「技術」の力だからです。(第135話に続きます)

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