清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第80話)

第80話:タイムテーブルは、客の立場での時を示しているのでしょうか。

 仕事柄、年に数十回と飛行機を利用した出張があります。さまざまな空港ビルが変わったり、空弁が注目されたり、空港関連の話題を耳にすることも多くあります。かつて、飛行機に乗ることが、一種の憧れであった世代の自分にとってみれば、飛行機の利用自体が、ごく日常的に当たり前の交通機関になったことを実感します。

 生活行動での馴染み度は高まったのですが、何とも不思議なことがあります。それが、航空各社の提示しているフライト・スケジュール、運航のタイムテーブルです。午前中なのか午後なのか、はたまた夜の出張出発なのかで、当然自分の都合の良い便を選択します。そうした時、異なる会社のフライト予定が全く同じというものを見る時。同じ時間に異なる滑走路から飛び立つことはない。ということは、どちらかの予定が間違っていることになります。

 確かに、飛行機があのタイムテーブルと寸分違わず出発すること自体が殆どないのですから、それはそれで目くじらを立てる必要はないのかもしれません。利用者は、何となくその辺りの時間だろうと思っておけば良いことなのかもしれません。しかし案内では、出発より早めに空港に到着するよう提示しています。客にそれだけのことを強要するのであれば、送り手も、時間をある程度は厳格にする必要があるのではないかと、ふと思ってしまいます。

 毎日、1分1秒を争うような生活をしているわけではありませんが、ビジネスはある意味で時間競争をしています。このように思うのも、毎回の出張ごとに、機内アナウンスで時間の遅れの言い訳を聞くのに、そろそろ飽きてきた頃だからでしょうか。(第81話に続きます)

 

清野氏 法政大学 講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

Eメール: maps@mapscom.co.jp

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第79話)

第79話:サラリーマンとビジネスマンの違いは何でしょうか。

 古い話ですが、昭和30年代に流行った歌に、植木等が歌った一連の「サラリーマン讃歌」があります。曰く♪サラリーマンは気楽な稼業・・・・♪わかっちゃいるけどやめられない・・・♪そして、当時の東宝映画には「社長シリーズ」や「サラリーマン出世太閤記」のような、会社勤めの楽しさ、つらさ、面白さを謳った喜劇に人気がありました。すでに何年の時が流れたでしょうか。何となく悲哀を感じさせながらも、その響きには今の状況から逃げることの出来ない何かを感じさせる単語として「サラリーマン」があったように思います。

 そして今も、「サラリーマン減税」や「サラリーマン年金」と、やはり普段の生活がにじみ出るような呼称です。職業を言っている言葉ではありません。働いたことの対価として俸給を得ている「サラリー」を貰っている人々を「サラリーマン」と言うことでしょうか。あまり前向きな印象ではありません。何を対価物として供しているのかがはっきりしないからです。労働力・労働時間といった、どちらかと言えば「人力」を対象としているように感じてしまいます。

 その言葉と対峙するように、最近は「ビジネスマン」が良く使われます。本来的には実業家でしょうが、仕事をしている人といったダイナミックな印象もあります。サラリーマンが状況的であることに対して、ビジネスマンは行動的です。やっていることの内容まではわからないものの、イメージで言えば、決められたことを所定時間内に仕上げるだけのルーチン業務に限らない領域にまで、行動範囲が広いようにも感じます。

 サラリーという対価を主にした言葉。ビジネスという仕事を主にした言葉。「サラリーマン」は思い至る先には「自分の生活」があり、「ビジネスマン」のそれは、「人生を描く」想いにあるようにも解釈できます。個人的には対価意識よりも業務意識の方が強いのですが、あなたの思考はどちらでしょうか。(第80話に続きます)

 

清野氏 法政大学 講義

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