エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第261話)

第261話:コロナで世界は分断、経済麻痺

 新型コロナウィルスの景気や消費に及ぼす影響は甚大となっており、回復の手掛かりをつかめていない。2020年1-3月期に前期比年率▲3.4%だった日本の経済成長率も、民間エコノミストのコンセンサスでは2020年4-6月期に年率で▲21.3%落ち込むとみられている。

 これを戦前の世界大恐慌に相当すると言われたリーマン・ショック前後と比べれば、日本の経済成長率はリーマン後の2009年1-3月期に▲17.8%まで落ち込んだ。したがって、コロナ・ショックの衝撃は短期的にリーマン・ショックを凌ぐと見られている。

 より重要な雇用環境を見ても、民間エコノミストのコンセンサス通りに2020年のGDPが25兆円以上減ると仮定すれば、近年のGDPと失業者数との関係に基づき+130万人以上の失業者が発生する計算になる。

 リーマン・ショック後の日本を振り返っても、失業者は1年間で+113万人増え、実質GDPがトレンドラインに戻るまでに2年の歳月を要した。そして、震源地の米国よりも日本の経済成長率の落ち込みが大きかった背景には、当時は特に輸出先を失った製造業の打撃が大きく、より加工組み立て型製造業の輸出依存度の高い日本経済が窮地に追い込まれた。

 しかし今回のコロナ・ショックでは、感染拡大を防止するために、まさに戦時中のように営業停止や外出の制限、イベント中止など直接ヒトやモノの流れが停滞している。このため、カネの流れが停滞して需要が急減したリーマン・ショック時に比べて直接需要が急減する違いが指摘できる。

 このため、コロナ・ショックとリーマン・ショックとでは、各国の経済対策の打ち出し方に違いが見られる。カネの流れが停滞したリーマン・ショックでは、カネを動かすための金融・財政政策が最優先となったが、コロナ・ショックでは、感染拡大の防止を優先せざるを得ない状況になっている。このため、各国政府は人為的に経済活動を抑制せざるを得なくなっており、世界的な移動制限が課されている。特にEUでは、国境が復活する事態に陥っており、新型コロナウィルスの感染拡大が第二次世界大戦以来、最も劇的な世界経済危機の引き金になると警告されている。

 特に今回の新型コロナの経済的影響は、サプライチェーン寸断や店舗営業停止等により供給面に打撃を与えているだけではなく、感染拡大抑制のための外出抑制等を通じて需要も大きく損なわれているのが特徴だ。

 また、これまで経験したことのないレベルの不確実性の高まりに加え、リーマン・ショック後に金融政策に頼りすぎたことによる金融市場の過熱や債務膨張等も相まって、ダメージは金融市場にも広がっている。

 このため、リーマン・ショックや欧州債務危機等でただでさえ長期停滞に陥っていた世界経済に甚大なダメージが及ぶことになりかねず、鋭く急で深い景気後退が長期化する可能性もあるといえよう。

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

さてこの度、永濱氏の書籍が出版となりましたので、ご案内させていただきます。何卒よろしくお願いします。

MMTとケインズ経済学

21世紀版のケインズ革命は、今まさに起こっているのか?
例外的な環境下において、赤字財政を推進したケインズの学説は、経済学に大きな影響を与え、ケインズ革命と呼ばれた。MMTはインフレ率に注意さえすれば、赤字財政は際限なく出すべきと主張する。本理論は21世紀のケインズ革命となるのか?

第1章  ケインズ経済学の衝撃

第2章  MMTとは

第3章  ケインズ経済学とMMTの違い

第4章  MMTの考え方(MMTは日本で実現するのか?)

第5章 アベノミクスの検証

第6章 日本の財政の誤解

(ご購入はお近くの書店か上の「本の表紙」をクリックしてください。)

エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第260話)

第260話:必要となる企業への資本注入

 既に新型コロナ・ウイルスの景気や消費に及ぼす影響は甚大となっている。直近4月分の内閣府「景気ウォッチャー調査」を見ると、家計動向関連の現状判断指数(季節調整値)が7.5%ポイントとなり、それまで過去最悪だった前月の12.6%ポイントをさらに下回っている。背景には、経済活動の自粛によって個人消費の原動力となる収入が減っていること以上に、緊急事態宣言発動により外出が抑制されたことがある。したがって、5月以降に緊急事態宣言が一部解除の方向に向かうことからすれば、過去最低水準を脱する可能性が高いだろう。

 実際、家計動向関連の現状判断指数(原数値)を分野別にみると、最悪なのが臨時休業を余儀なくされた「百貨店」の1.0%ポイントであり、続いて夜間営業停止を余儀なくされた「飲食関連」の1.2%ポイント、「旅行・交通関連」の1.4%ポイント、「衣料品専門店」の2.6%ポイントと続く。つまり、現在の消費の落ち込みは、経済活動の制限により収入が減ることもさることながら、休業や営業停止などにより支出に深刻な影響が及んでいることがわかる。

 ただ、逆に考えれば、ウィルス感染の落ち着きや特効薬の普及、さらにはワクチンの実用化などにより経済活動の抑制が徐々に緩和されさえすれば、消費の戻りも期待できる。このため、早ければ今年の夏場頃から徐々に経済活動抑制の緩和に伴い個人消費も持ち直しが期待されている。しかし、経済活動抑制の完全な解除には2022年までかかるというような見方もあり、アフターコロナを展望すれば個人消費の構造変化を余儀なくされる可能性もあろう。

 こうして長期に渡って経済活動が止まると、多くの企業が資本不足に陥る事態になる。既に米国では、事業会社への資本注入等の政策が機能していることからすれば、日本においても特に資本調達の厳しい中小企業や大企業に対する支援制度が必要といえよう。

 中でも中小企業向けには、地銀を通じた資本注入が現実的と言われている。具体的には、メインバンク等を通じた公的機関の優先株引き受けや劣後ローンの買い取り等が考えられている。公的機関が関与すれば、資本力が弱い地銀でも企業を支援しやすくなり、優先株や劣後ローンを活用すれば、公的機関や地銀がその企業の経営権を直接握ることが避けられる。経営権を握られずに経営責任が問われなければ、自己資本が毀損した中小企業でも資本注入を受け入れやすくなるだろう。

 特に、新型コロナ・ウイルス感染症対策として、政府は民間金融機関による最長5年間返済を据え置く実質無利子融資を盛り込んでいるが、それだけでは立ち行かない企業を対象に、返済の優先順位が低い「永久劣後ローン」の実施を求める向きもある。

 こうした中、日本政府も経営難に陥った中小企業に資本注入する仕組みを作るようだ。金融機関のローン債権を政府と日銀の共同出資により設立する買取機構が買い上げるような提案もあり、検討に値しよう。(第261話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

さてこの度、永濱氏の書籍が出版となりましたので、ご案内させていただきます。何卒よろしくお願いします。

MMTとケインズ経済学

21世紀版のケインズ革命は、今まさに起こっているのか?
例外的な環境下において、赤字財政を推進したケインズの学説は、経済学に大きな影響を与え、ケインズ革命と呼ばれた。MMTはインフレ率に注意さえすれば、赤字財政は際限なく出すべきと主張する。本理論は21世紀のケインズ革命となるのか?

第1章  ケインズ経済学の衝撃

第2章  MMTとは

第3章  ケインズ経済学とMMTの違い

第4章  MMTの考え方(MMTは日本で実現するのか?)

第5章 アベノミクスの検証

第6章 日本の財政の誤解

(ご購入はお近くの書店か上の「本の表紙」をクリックしてください。)

エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第259話)

第259話:「新たな生活様式」の影響

 政府は5月31日までだった緊急事態宣言について、特定警戒都道府県以外の34県に茨城・石川・岐阜・愛知・福岡を含めた39県で一斉に解除する方針を固めた。緊急事態宣言が解除されたからといって、経済活動が完全に戻るわけではないものの、3密対策を施したうえで営業活動を再開する動きが広がるため、経済活動への好影響が呼ぶことは確実だろう。

 実際、今回の解除により、解除されなかった場合と比較して最大+1.7兆円の家計消費の増加を通じて、GDPベースでは同+1.5兆円となり、年間GDP比でトータル+0.3%の押し上げとなる。また、この解除により▲7.2万人の失業者が減少する計算になる。

 こうした中、政府の専門家会議では、新型コロナウィルスの感染拡大をめぐり、長丁場の対応を前提とした「新たな生活様式」が提言された。具体的には、①「3つの密」を徹底的に避ける、②手洗いや人と人との距離の確保など基本的な感染対策を続ける、③テレワーク、時差出勤、テレビ会議などにより接触機会を削減する、としている。

 このため、今後は緊急事態宣言の行動制限緩和から終了、そして新型コロナウィルス終息に伴い、徐々に景気及び消費は回復に転じることが期待されるものの、新型コロナウィルスの影響が長期化すれば、先の「新たな生活様式」が定着し、景気や消費全体への影響が長期化するのみならず、新型コロナウィルスが収束しても景気や消費の正常化が遅れるリスクには注意が必要であろう。その場合は、小売りの業態間でも優勝劣敗が進展する可能性が高い。

 そうした動きの緩和に向けて、政府は新型コロナウィルスの収束後に緊急経済対策による消費喚起策先を実施することで、今回ダメージを受けた旅行・交通関連や百貨店、レジャー施設、飲食関連を中心に消費の回復を下支えする方針である。しかし、先の「新たな生活様式」が定着してしまえば、こうした構造変化は緊急経済対策で解決できるものではなく、結局は小売りの業態間における優勝劣敗の進展は不可避であろう。

 特に「新たな生活様式」の「「3つの密」を徹底的に避ける」は、宅配・ネット通販の追い風となろう。また、「手洗いや人と人との距離の確保など基本的な感染対策を続ける」は、保健医療関連支出の増加を通じて「ドラッグストア」の追い風となろう。そして、「テレワーク、時差出勤、テレビ会議などにより接触機会を削減する」は、在宅勤務やリモート教育の推進などを背景に、食品スーパーやコンビニ業界に対する需要が増すのではないか増すのではないか。

 なお、過去の経験則から個人消費全体が元のトレンドに戻るまでの時期を展望すれば、リーマンショック後が2年、東日本大震災後が1年、2014年4月の消費増税後が3年かかっている。したがって、今回は新型コロナウィルスの終息時期次第であるが、治療薬やワクチンの開発に時間がかることになれば、2014年4月消費増税後の3年程度を想定しておく必要がありそうだ。(第260話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

さてこの度、永濱氏の書籍が出版となりましたので、ご案内させていただきます。何卒よろしくお願いします。

MMTとケインズ経済学

21世紀版のケインズ革命は、今まさに起こっているのか?
例外的な環境下において、赤字財政を推進したケインズの学説は、経済学に大きな影響を与え、ケインズ革命と呼ばれた。MMTはインフレ率に注意さえすれば、赤字財政は際限なく出すべきと主張する。本理論は21世紀のケインズ革命となるのか?

第1章  ケインズ経済学の衝撃

第2章  MMTとは

第3章  ケインズ経済学とMMTの違い

第4章  MMTの考え方(MMTは日本で実現するのか?)

第5章 アベノミクスの検証

第6章 日本の財政の誤解

(ご購入はお近くの書店か上の「本の表紙」をクリックしてください。)

エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第258話)

第258話:日米の緊急経済対策比較

 政府が打ち出した緊急経済対策を事業規模や財政支出の規模で見ると、117兆円や48兆円とかなり大きな額となる。しかし、これは昨年度補正予算の未執行分も含まれており、今回の対策に絞れば事業規模と財政支出の規模はそれぞれ95.2兆円、38.1兆円にとどまる。また、米国で成立した大型経済対策法案と比較すれば、緊急性に欠ける項目が含まれていることには注意が必要だ。事実、「次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復」として1.8兆円が配分されているが、こちらについては経済活動が再開しないと意味がない。また、「今後への備え」として新型コロナウィルス感染症対策予備費も計上されている。

 このため、経済対策の全容は予備費により不確定な部分があるが、生活保障効果に関しては、給付金や税制優遇、補助金の対象分野をみればある程度目星を付けることができる。各省庁の予算資料等によれば、日本では「雇用の維持と事業の継続」の22.0兆円の部分が該当し、ここに雇用調整助成金や中小・小規模事業者等に対する資金繰り対策・給付金、世帯への給付金などが含まれる。従って、緊急性の高い生活保障対策に絞れば、真水28.0兆円から緊急性の低い項目を除いた22.0兆円(GDP比4.1%)分が配分されている。

 一方、米国で成立した大型経済対策法案に基づけば、生活保障に近い項目は「家計向け現金給付」「失業保険給付拡充」「企業向け税制優遇」「航空産業向け補助金」となる。そして、これらを合わせると8,720億ドルとなり、GDP比3.9%ということで日本とそん色ない。

 ただし、生活保障関連支出のGDP比が上回っているというだけで日本の経済対策が劣っていないという結論にはならない。なぜなら、この状況下で生活保障と並んで最も重要な医療関連支出の規模が圧倒的に異なるためである。というのも、米国ではGDP比1.5%もの医療関連支出が組み込まれているのに対し、日本では「感染拡大防止・医療供体制整備・治療薬開発」としてGDP比0.3%分しか配分されていないためである。

 こうした中、今回の日本の緊急経済対策を見ると、「強靭な経済構造の構築」として「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業補助金」や「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」といった対策も組み込まれている。

 つまり、足元の感染拡大の状況を受けて経済構造の変化を余儀なくされるという面で評価すれば、あくまで予想の域を超えないが、リモート活動の拡大等により人の移動が元に戻ることがなければ、人の移動に伴う労働需要も元に戻らない可能性があり、雇用調整助成金による雇用の維持だけでは失業者を支えきれない可能性がある。

 なお、1年間で失業者が110万人以上増加したリーマンショック時の雇用対策には、「雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金」(0.6兆円)以外にも「緊急人材育成・就業支援基金」(0.7兆円)や「ふるさと雇用再生特別交付金」(0.25兆円)「緊急雇用創出事業」(0.45兆円)等、雇用の下支えだけでなく、新たな雇用の創出も図られた。したがって、失業増に伴う経済の悪化を最小限に食い止めるためにも、政府は迅速で大胆な医療機能強化と雇用創出に対する追加の対策が求められるといえよう。(第259話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

さてこの度、永濱氏の書籍が出版となりましたので、ご案内させていただきます。何卒よろしくお願いします。

MMTとケインズ経済学

21世紀版のケインズ革命は、今まさに起こっているのか?
例外的な環境下において、赤字財政を推進したケインズの学説は、経済学に大きな影響を与え、ケインズ革命と呼ばれた。MMTはインフレ率に注意さえすれば、赤字財政は際限なく出すべきと主張する。本理論は21世紀のケインズ革命となるのか?

第1章  ケインズ経済学の衝撃

第2章  MMTとは

第3章  ケインズ経済学とMMTの違い

第4章  MMTの考え方(MMTは日本で実現するのか?)

第5章 アベノミクスの検証

第6章 日本の財政の誤解

(ご購入はお近くの書店か上の「本の表紙」をクリックしてください。)

エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第257話)

第257話:緊急事態宣言拡大に伴う経済へのダメージ

新型コロナウィルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大した。新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言は、外出制限や交通規制に対して強制力がなく、海外で行われているロックダウンを実施することにはならないものの、既に7都府県に対して緊急事態宣言が打ち出されていた中での全国拡大になるため、更なる経済活動自粛の動きが強まることは確実だろう。

実際、緊急事態宣言発動に伴う外出自粛強化により、最も影響を受けるのが個人消費である。そこで、2019年の家計調査(全世帯)を基に、外出自粛強化で大きく支出が減る費目を抽出すると、外食、設備修繕・維持、家具・家事用品、被服及び履物、交通、教養娯楽、その他の消費支出となり、支出全体の約55%を占める。

そこで、すでに緊急事態宣言の対象となっていた7都府県の不要不急消費が一か月止まり、今回新たに特定警戒となった6都道府県(北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都)の不要不急消費が3週間止まり、特定警戒以外の不要不急消費が3週間半減したと仮定すると、通常に比べて最大▲8.4兆円の家計消費が減ることを通じて、GDPベースでは通常に比べて最大▲7.2兆円(年間GDP比▲1.3%)の損失が生じることになる。また、近年のGDPと失業者数との関係に基づけば、この損失により36.8万人の失業者が発生する計算になる。

こうした中、政府が当初閣議決定した事業規模108兆円のコロナ緊急経済対策も組み換えとなった。当初決定した生活困窮者世帯や子育て世帯への臨時特別給付金が全国民一律10万円給付となること等により、事業規模や財政支出の規模で見ても117兆円や48兆円とさらに大きな額となる。しかし、これらはかなり広めにとられた概念であり、直接GDP押し上げにつながるわけではない点には注意が必要だろう。今回の経済対策による景気押し上げ効果は相当控えめに見ておいたほうが良い。

事実、現金給付等は追加的な支出につながるか不透明な部分が多く、これらの額全てが今年度のGDP押し上げに効くわけではない。また、財政支出の中には事業が長期にわたる財政投融資なども含まれていることには注意が必要だ。

経済対策の全容は予算編成まで不確定な部分があるが、景気押し上げ効果に関しては国・地方の支出(真水)である程度の目星を付けることができる。報道によれば、真水の総額が過去の対策の未執行分を除けば19.1兆円程度とされていた。このため、ここに今回組み換えの8.8兆円を上乗せした真水27.9兆円対策に限った景気への影響を考えると、財政支出から財政投融資を除いた国・地方の歳出からさらに貯蓄に回る部分等を除いた額が短期的なGDPの押し上げに効くことが見込まれる。一方で、内閣府の最新マクロ計量モデルに基づけば、現金給付に近い所得減税の1年目の乗数は0.23にとどまる。これに基づけば、実際に今年度の実質GDPの押し上げ効果は+6.4兆円(GDP比+1.2%)前後にとどまり、1か月の緊急事態宣言に伴う損失を埋めきれないと見込まれる。(第258話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

さてこの度、永濱氏の書籍が出版となりましたので、ご案内させていただきます。何卒よろしくお願いします。

MMTとケインズ経済学

21世紀版のケインズ革命は、今まさに起こっているのか?
例外的な環境下において、赤字財政を推進したケインズの学説は、経済学に大きな影響を与え、ケインズ革命と呼ばれた。MMTはインフレ率に注意さえすれば、赤字財政は際限なく出すべきと主張する。本理論は21世紀のケインズ革命となるのか?

第1章  ケインズ経済学の衝撃

第2章  MMTとは

第3章  ケインズ経済学とMMTの違い

第4章  MMTの考え方(MMTは日本で実現するのか?)

第5章 アベノミクスの検証

第6章 日本の財政の誤解

(ご購入はお近くの書店か上の「本の表紙」をクリックしてください。)