清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第126話)

第126話:「ご迷惑をお掛け致します」の相手は誰でしょうか。

 人それぞれに生活のリズムがあるものです。自分にとっての通常時間に家を出て、いつもの時間の電車に乗ります。朝の通勤時間が通学時間と一緒になり、交通機関もそれなりの混み具合です。土曜日はタイミングが良いと席を確保できることもあり、しばしの書斎空間で読書の時間と決め込んでいます。でも普段はなかなかそうはいきません。

 その混みあった車両の中で大きく空間をとり、新聞を開いている者がいます。ひたすら黙って携帯メールを操作している者もいます。はたまた、他人と肩を接しそうになる空間で、眼の周りの化粧を整えている者。声高に視聴率の高い番組への評論家的な会話も聞こえてきます。自分の高校時代の通学時に携帯はありませんが、同じようにその時々のTV番組の話をしていたのかと思い起すことがあります。

 程なくして、ターミナル駅に到着。出口のドアに人が溜まります。その混乱の中で自分のペースで歩いていくのは至難の業。何となく今日一日の予定などが頭に浮かんでくる時に、車内放送で「車内混雑、大変ご迷惑をお掛け致しました」のアナウンスが流れます。ほぼ毎日耳にしているフレーズですが、不思議に思うときでもあります。

 迷惑をかけたのは、誰でしょうか。迷惑をこうむった人は、どのような迷惑を受けたのでしょうか。その電車に乗っていた乗客全てに向けたメッセージなのでしょうか。とすれば、私はどのような迷惑を受けたか。しいて言えば、大声で担当教諭の悪口を言い合う無礼な話か、二人分の空間を占有して新聞を読む女性。長くもない足を投げ出して座る若いビジネスマン。降りる駅が近づくと、一言の声を発することもなく目一杯ヒジに力を入れて人を押しのけていく者。彼らは確かに迷惑でした。

 とすれば、先ほど聞いたアナウンスは、彼らに代わって車掌が発したお詫びの言葉だったのでしょうか。

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a0

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

その他の書籍は下の写真をクリックしてください。

DSC_0165
その他の著書は上の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。

 

清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第125話)

第125話:日常生活には「慣らされたルール」があるようです。

 いつ頃からでしょうか、当たり前のように慣らされてしまっている行動があります。エスカレーターに乗る時に、つい左側に立つこと。但しこれは東京にいる場合。大阪ではこれが右に立つことになります。混雑した人込みを逸早く抜け出したいと、気持ちだけが先走る時があります。目の前をゆったりと歩かれると、何となく腹立たしさを感じることもあります。人それぞれのペースがあることを承知していながらも、自分のことを中心に考えてしまうからです。そのような人のためでしょうか、かつて「急ぐ人のために右側を空けて下さい」のサインがあったように記憶しています。最近はそのガイドなしで、何となく自然に人は片側に寄っています。そして通行に目詰まりが起きます。

 東京での動きに慣れて、夕刻大阪に入る。大阪では左右逆です。新大阪駅改札を出てすぐのエスカレーターに乗っていて、後方から押されたことがあります。舌打ちの音すら聞こえてくることも。ふと思い起こして、大阪では右に寄らねばならなかったかと、急遽立ち位置を変える瞬間です。

 大勢の人が黙々と前を見て進む。その先にエスカレーターがある。その途端に二筋あった通行路が一本になってしまう。当然、流れが滞るという悪循環が起きてしまいます。一方の筋では、大きな荷物を持ち上げるようにして、さながら階段を駆け上る雰囲気の人に出逢うことがあります。それほど急ぐのだから、新幹線の発車時間に間に合わないのかと見ている側があせってしまいます。しかし、どうやらそうではないようで、上りきったところから今度は、ゆっくりとした歩調になります。慣らされているだけなのでしょうか。

 習慣とは恐ろしいものです。デパートのエスカレーターでも同じ現象に出会います。最上階で開催中のバーゲンセールに急ぐのだろうかと思わせる集団。それほど急ぐのであれば、階段を駆け上ってはどうかと思います。買い物をゆっくりとしたペースで楽しむことはないのでしょうか。

 かつてこんなメッセージが流れたことがある。「せまい日本。そんなに急いでどこへ行く」。一方に寄る集団的な行動に、飼い慣らされた現代社会のルールを見る想いがあります。(第126話に続きます)

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a0

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

その他の書籍は下の写真をクリックしてください。

DSC_0165
その他の著書は上の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。

清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第124話)

第124話:内(家)と外の区分けがぼんやりしてきているように思います。

 歳を重ねたことだけが理由ではなさそうです。最近の高校生と思しき若者の歩くスピード感の無さには、ほとほと嫌になることがあります。何も先を急ごうとあせって歩いているわけではありません。狭い地下鉄の階段を、すり抜けようとしているわけでもないのです。普通のペースで歩きたいと思っているだけです。しかし、それが思うに任せません。前をさえぎる集団がいるからです。しかもゆったりと、引きずるような歩み。

 ふと目を足元にやると、靴のかかとが踏み潰されています。スリッパを履いて、家の中を歩くスタイルです。無目的的で、無感動的なスタイルに見えます。日常の生活変化を体現することなく、ただ思うに任せて動いている印象さえ与えます。今自分がどこに居るのか、この環境ではどのような振る舞いをすべきなのかを意識せずにいるようです。家の中から一歩でた世界は外界であり、決して内包された囲いの中に居るのではないといった意識が欠落しているのでしょう。内側と外側といった対極的な区分け意識がなくなってきたのでしょうか。自分を中心とした内にこもってしまったのでしょうか。

 「自分探し」という言葉があります。自分の内面にある力が、どのような分野、どのような世界で活かされるのかを考ると言われます。であるならば、内的な思考回路ではなく、外界との接点を多く持つことが、自らの可能性の発見に繋がると思うのですが、決してそうではなく内的な思考に陥るようです。「内」と「外」との仕訳があいまいになっているのでしょうか。

 東京メトロのマナーポスターに、「家でやろう。Please do it at home.」の文字がおどったことがありました。家は「うち」です。自らの生活空間の外にある「世間」という存在が、いつの間にかこの国の風土から消えていってしまったように思えます。

 今日もまた、「内(家)」にいたまま「外」に出てきた通学・通勤スタイルを見る朝です。(第125話に続きます)

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a0

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

その他の書籍は下の写真をクリックしてください。

DSC_0165
その他の著書は上の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。

マーケティング思考の姿勢と行動の頭文字は「K」。

第19回:マーケティングは「4K+4K」の継続である。

 ビジネスの環境を語る折に「K」を頭文字にした言葉がよく使われるようです。かつて「きつい」「汚い」「危険」の3Kが言われたこともあります。

 してみると、マーケティング思考も「K」で語ることが出来そうです。ビジネス姿勢の基本に「勘/経験/根性/感性」が必要なことは、どのような分野にも当てはまります。ただ、それだけでは不十分。行動が伴わなければなりません。

 マーケティングの実践行動では「関係(絆)/気づき(提案)/こだわり(志)」をもって、顧客に「感動」して頂けることが重要です。日々の思考と行動に「K」が問われているのです。

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a1

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

*その他の著書は下の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。

DSC_0165
DSC_0165

清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第123話)

第123話:買物をしていて「狩猟民族」に出逢ったことはありませんか。

 季節の変わり目に衣料を買おうと、たまにデパートに行くことがあります。元来が何かを求めようとする目的を持ったラウンドなので、それ程の滞留時間ではありません。その限られた時間の中でも、さまざまな体験が出来るものです。

 時として、フロアーに居る人の数のうち、購入予定の顧客よりも販売予定の販売員の方が多い場合があります。そのような空間に一歩足を踏み入れたときが悲劇です。さながら速射砲のように、言葉が耳に突き刺さってくるからです。当方が、ゆっくりと商品を吟味しているときにです。デザインや色・柄・サイズと、基本の購買インデックスに沿って品定めをしようとしていると、こちらから声を掛けることもなく、声を掛けられます。「こちらのは、いかがですか・・・この色などお似合いかと思います」・・・と立て続けです。こちらの好みの色やデザインなど、そもそも聞く耳すら持っていない、一方的なのです。

 「購買予定の顧客と親密な関係をとり、繰り返して来店されることを促進しよう」などの考え方は微塵も見えません。そこに居る顧客は、さながら自分が捕獲すべき獲物。獲物に対して話など聞く必要もない、自分の思いをただ告げて、交換(販売)が成立すればそれで良し、といった空気を感じさせます。じっくりと育てようといった、農耕的な発想が全く見えず、狩猟的なのです。

 獲物の側でも、ちょっと聞きたいことがあるのです。「他のサイズはありませんか?」遠慮がちに聞く。「出ているだけです」。何ともむなしい風が吹き抜けていきます。

 そそくさと、狩場から逃げなければ・・・の心理が働いてしまうもの。(第124話に続きます)

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a0

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

その他の書籍は下の写真をクリックしてください。

DSC_0165
その他の著書は上の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。