清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第169話)

第169話:「景気」の変動は身近なところで感じるもの。

 消費税率の2%アップもあり、これからの景気はどのような変化をみせるのでしょうか。

 報道のメッセージで「景気回復」の言葉を聞いても、ここ数年は余り実感がありません。自分の身の回りの様相を見ても、これといった大きなうねりを感じさせないからです。小さな変化は日常的に起きるものの、人が皆活き活きとした眼で動いている様子を感じさせません。携帯でメールを読んでいるからだけではなく、何となく下向きの人に出会うことの方が多い気がします。繁華街での客待ちのタクシーの数は、日に日に増加しているように見えます。

 そもそも「景気」とは何でしょうか。三省堂「大辞林 第二版」によれば、「(1)社会全体にわたる経済活動の活発さの程度。(2)「好景気」に同じ。「あの店は最近すごい―だ」(3)威勢のいいこと。元気なこと。(4)けはい。ようす。ながめ。」といった整理がある。経済学的な定義もあろう。しかし、今ひとつ忘れてはならないポイントがあります。それが「景色」と「気分」の合成です。

 自らの行動が、今の環境に照らして似つかわしいことなのかどうか。まさに「景色」にあった行動を取っているのかどうか。普段行ったこともないような高級レストランに友人共々で行くと、勝手を知らないが故になぜか落ち着かないといった経験は無いでしょうか。自分にとって、周りの景色がうまく調和していない証拠です。何かを購入しようとして、その気になり店に出向くまでは良いのですが、実際に購入する段になって急に「気分」が盛り上がらず止めてしまったことは無いでしょうか。購買行動を後押しし、かつ引き上げる力が欠落している状況で、まさに「気分」が高まらないのです。

 マクロ経済の視点からすれば、一時期の停滞感は脱出したようにも感じます。しかし、日常のマーケティング活動は、マクロの視点で行われているのではなく、ミクロの見方です。新しい生活環境を具体的に提示できる「景色」と、購入しようとする「気分」を高める情報の提供。まさに、マーケティングは「景色」と「気分」を高める提案を継続する思考と行動の体系と考えるべきだと思います。(第170話に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

10冊目の新書が出ましたので是非お読みください。

清野裕司の「ビジネス心論」


今、マーケティング・スタッフには効率よく作業をこなすためのスキルを高めることよりも、幅広い視野で変化を敏感に捉える感度(センス)が問われています。起きている現象を見る目だけではなく、時にもう一つの目(心眼)を開いて、今迄と今を見直し、明日への道を切り拓いて行くように、自らの心に問う学びの志です。
学ぶこと考えることの楽しさを知った自らのビジネス体験を、次代へと歩み行く方々に伝承しておきたいと考えて「心論」と題しました。

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動画マーケティング

 現在社会では、大げさに言えば大衆は静かに絶望しながら生活しています。したがって、ほんの一瞬でも自分たちの心を捕まえるものや、自分たちを楽しませるものを心から求めています。

 マーケティングの世界でも、「ウォンツを売りつつニーズを提供する」。つまり、欲しがるものを売ると同時に、必要なものも提供することが重要になっています。顧客はただサービスを受けたいのではなく、ストレスを感ぜず、楽しませてもらいたいのです。

 そのためには、ビジネスにおけるあらゆる新技術の目的が「摩擦を取り除く」という単純明白なものであるように、製品やサービスが、ハイテクというのではなくても革新的でなければなりません。決済方法やコミュニケーションなどに当てはまります。

 一方、楽しませるためには自社製品やサービスを取り巻く「劇場」をつくることが重要です。つまり顧客にすばらしい体験を提供するためには、顧客にとって「価値のある声になる」ことです。それは、価値のある情報や提供するコンテンツの制作者になることで実現できると信じています。実際インスタの一枚の写真だけで訪れるお客さんもいます。

 重要なのは見てくれだけでなく、企業努力のすべてを相手に伝えることです。製品やサービスを提供する際には、それに費やした努力のすべてをオーディエンスに伝えることです。例えば苦労して作ったセールスコピー、パッケージ、店内、スキル、社内体制、イベントそして製品ができるまでのバックストーリーなどです。これらの中に会社の利益が隠れています。

 1分間の動画の情報量は3,600枚のウェブページに匹敵するといわれています。また、切り替えの早いウェブ動画はテレビ動画に比べてテンポを速めなければいけませんので、1分間のウェブ動画情報がいかに多いものかご理解できると思います。

 また、動画を見てもっと知りたいというニーズにこたえるためにも文字写真コンテンツも重要で、国内外に向けて総合的な情報発信企画をご提供していく予定です。

 弊社は、中国語ウェブメディア・ミャオジャパンのポイントイエス社、動画制作会社モンタナセブン社、日本語ウェブメディア・デモクラTVのプライム社と組んで、TVCM動画からラジオパーソナリティをMCにしたテーマ対談動画、ウェブ動画など幅広いレンジで企画制作できる体制を整えました。特に対談動画やウェブ動画は比較的安価で作れますので、数本作った後で、評判が良かったものをSNS広告を使ってさらに広げていくことも可能です。ご予算や国内外ターゲットに合わせてご提供させていただきます。

動画マーケティングのお問い合わせは
(株)ジパング・ジャパン吉野までご連絡ください。
Tel: 080-5029-9615
email : yoshino@zipangu-japan.jp

エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第231話)

第231話:予想以上に盛り上がるラグビーW杯

 開催前は赤字が懸念されていたラグビーワールドカップだが、テレビドラマによるラグビーの認知度向上や日本代表の活躍等もあり、予想を覆してチケットの売れ行きは好調となっている。ラグビー発祥国であるイギリスの文化的な背景から、会場でのビール消費も好調となる等、かなりの経済効果が出現している可能性のあるラグビーワールドカップ特需。また、インバウンド需要も相まって、大会収支の黒字決算も見込まれる。

 ラグビーワールドカップは最大規模の世界的スポーツイベントの一つであることから、様々な経済効果が出現しており、今回も例外ではないだろう。その経済効果は、組織委員会の試算によると4,300億円を超える規模となっている。しかし、その直接効果の内訳は「スタジアム等インフラ整備費用」「大会運営費用」「国内客による消費」「訪日外国人による消費」であり、開催に向けて行われた道路や鉄道などのインフラ整備は含まれていない。このため、組織委員会が試算した4,372億円にプラスアルファの経済効果が上乗せされる可能性があるだろう。

 ただし、これはあくまで経済波及効果ベースの金額であり、GDP増加分に換算すれば2,166億円程度になると試算されている。中でも「訪日外国人客による消費」は大きな経済効果がありそうだ。大会を目的とした訪日外国人客によるスタジアムやファンゾーン、ホスピタリティプログラムをはじめ、市街地や観光地での消費による経済効果として1,057億円(GDP増加分522億円)、国内客による消費の経済波及効果も160億円(GDP増加分78億円)見込まれていたが、スタジアム等インフラ整備費用の経済波及効果も400億円(GDP増加分181億円)が見込まれている。更に民間では、ホテルや商業施設の建設や改修、さらにラグビーワールドカップ終了後の再開発にも設備投資が行われる可能性があろう。

 2020年東京五輪では、開催期間は17日間となる。それに対して、ラグビーワールドカップの開催期間は44日間で東京五輪の倍以上となり、試合が行われない日も18日もあることから、飲食やレジャーなどの消費が増えている可能性が高い。特に、北海道から九州までの全国12都市12会場で開催され、見込まれている訪日客は50万人である。こうしたことから、経済効果の影響が広く共有されていることが予想される。

 また、大会では1000人規模のボランティアスタッフがスタジアムでの試合運営補助役や市街地でのサポーターガイド役を務めている。こうしたスタジアム等の会場運営、大会出場チーム、大会ゲスト、メディアなどに提供するサービスに伴う支出などによる経済波及効果も300億円(GDP増加分208億円)が見込まれている。

 実際に新聞報道では、神戸市内のあるホテルでは、開幕直前から外国人客が増加し、特に欧州からの宿泊客の予約は、神戸での試合開催直前となる24日から神戸での最終戦となる10月8日までで前年同期比2.6倍と急増したようだ。また、開催期間が長く、試合会場が点在していたこともあり、地方発の日帰りツアーやキャンピングカーのレンタルも増え、W杯特需が各地で高まったことも報告されている。(第232話につづきます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第230話)

第230話:消費増税後の課題

 今後の消費税率引き上げにおける課題としては、まずデフレ脱却への影響が指摘できる。理由としては、既に内閣府が試算するGDPギャップはプラスだが、ESPフォーキャスト調査に基づけば、フォーキャスターのコンセンサス通りに成長した場合は、2019年10月から消費税率を引き上げることで再度デフレギャップが生じてしまうためである。特に、2014年4月に消費税率を引き上げた際も、引き上げ直前にデフレギャップが一時的に解消したものの、消費税率引き上げ直後に安倍政権発足以前の水準までデフレギャップが逆戻りしてしまった経緯がある。

 また、前回の消費税率引き上げの影響を勘案すると、安定的な財源が確保されることにより税収増が期待できる一方で、家計の恒常的な購買力低下で内需への影響が大きいという声もある。従って、更なる家計向けの支援策等、ある程度の規模の予算を配分した対策は不可欠であると思われる。一方で、将来のさらなる消費税率引き上げ幅を抑制する意味でも、社会保障の効率化も必要な策といえる。

 なお、諸外国においては、標準税率が平均15%を超えているにもかかわらず、食料品の軽減税率が5%以下になっていることからすれば、日本も2023年10月からのインボイスの導入を前提に、標準税率を引き上げる際には軽減税率を引き下げることも検討に値するだろう。ちなみに、今回の酒類・外食を除く食料品を軽減税率の対象とすれば、軽減税率1%引き下げに際して0.5兆円の財源が必要となる一方、標準税率1%引き上げで税収が2.3兆円増えることになる。つまり、8%の軽減税率を0%にするには4兆円の財源が必要となる。あくまで筆者の考えだか、軽減税率を0%にしても標準税率を12%以上に引き上げれば、ネットで消費税収はプラスとなる。従って、将来的にはインボイス導入で益税問題を解消するとともに、標準税率の引き上げと軽減税率の引き下げをすることが検討に値しよう。将来的にも、更なる消費増税を実施しても生活必需性の高い軽減税率の引き下げを併用すれば、その後の消費増税も実施しやすくなるが、逆に負担軽減策をおろそかにして国民の不満を高めてしまうとその後の消費増税が政治的に困難になるだろう。将来の消費税率引き上げを確実なものにするという意味でも、家計負担軽減策は不可決であると考えられる。(第231話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第168話)

第168話:「マーケティングの役割は何ですか?」に自分の答えをもとう。

 長きにわたってマーケティング・スタッフの仕事をしていると「そもそも」の本質的な質問を受けることがあります。「マーケティングの役割は何か」というのも、その内のひとつだと思います。答えは様々です。

「驚きと感動を与えてくれる/生活に潤いと癒しを与えてくれる/時間消費、空間消費の無駄を無くしてくれる/情報の選別の基準を示してくれる/調べたいことが直ぐに分かる/自分が何をしたいか選択肢を準備してくれる/自分の秘書代わりになってくれる/購買環境を整備し、簡単に買い物ができる/安全、安心を提供してくれる」といったことから、「自らの日々の行動を見直すインデックスである。/仲間を増やす思考・態度のアドバイザーである。/仲間(顧客)を生み出す仕組みである。/過去を振り返り、未来を描くガイドである。/自らの生長の尺度である。」といった答えまでに広がっていく。

 そのようなやりとりをしていると、マーケティングに対する自分なりの定義も浮かんでくるものです。私にとってのマーケティングは、次のように定義しています。

 マーケティングとは、「常に相手の立場に立って自らの行動を見つめ直す思考の体系」。組織行動に限らず個人の行動にもまた、マーケティングは内在すると考えられる。自らの行動を評価し判断を下す相手は誰かを理解することから、マーケティングは始まる。

 自らを取り巻いている環境の変化を如何に自分自身の問題として意識し、そのために今自分達は何をしなければいけないのかを常に見極めていくことが必要である。自分が相対している対象者(企業にとってみれば顧客=生活者)は、何をしてくれたならば喜んでくれるのだろうかという発想を忘れてはならない。

 マーケティングは、企業が市場を操作する為の手段体系ではなく、いつも相手の立場に立って自らの行動を見直し、その行動自身を律して行く思想体系とも考えられる。(第169話に続きます)

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学ぶこと考えることの楽しさを知った自らのビジネス体験を、次代へと歩み行く方々に伝承しておきたいと考えて「心論」と題しました。

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