顧客のデータベースを書き換えることがマーケティング。

第16回:データベースは顧客が個人的に持っている。

 顧客の様子を知るためにデータベースの活用が不可欠である」とよく聞くことがあります。一方的に「顧客管理」などという言葉も耳にします。
 しかし、顧客は誰一人として管理されたいとは思っていないはずです。自分の裁量で行動を決めているのですから。その際に活用されているのが、一人ひとりが持つ、過去の体験であったり、今現実に起きていることの情報や風聞などです。  
 自分自身のデーターベースをフル活用して、自分自身にとって好ましい選択行為をしようとします。  
 マーケティングは決して買ってもらうことに誘導する行為ではなく、顧客のデータベースをアップデートする活動なのです。(第17回に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第109話)

第109話:今後の経済展望と投資環境

 去年の秋頃から世界の景気循環が上向いてきている。景気循環は一旦上向けばすぐには腰折れしないため、少なくとも来年程度迄は景気拡張期が続くのではないかと考えられる。

 去年の秋頃に上向くまで2年程度、製造業の景気循環は低迷していた。トリガーは中国である。製造業PMIを確認すると、2014年の秋頃から中国が50を下回り始め、少し遅れて米国が50を下回り、その後日本も50を下回った。

 そして今回、明確に中国の生産が戻ってきている。これが景気循環のエンジンになって、先進国に良い波及効果をもたらしている。中国は今年10月に5年に一度の共産党大会があるため、過去の経験則に従えば、それまではあらゆる手を使ってでも景気を支えるだろうという安心感がある。

 今年の経済成長は製造業循環が上向く要因がメインで加速し、来年の経済成長はトランプ氏の拡張的な財政政策の効果がメインで更に加速すると見ている。しかし、トランプ氏が主張する金額の半分くらいでも拡張的な財政政策が実現すれば、恐らく米国経済に過熱感がでてくると思われるため、FRBが利上げペースを速める可能性が高いと見ている。

 過去の経験則では「経済が過熱するなかでFRBが利上げを加速する」局面はリセッション入りのサインだった。従って、今後の見通しの結論としては、ざっくりと2017年と2018年は経済堅調、2019年頃から景気後退入りというイメージである。

 そのような経済環境の中では、単純に景気が良い業種や、業績が良い企業に投資しても、必ずしも良好なパフォーマンスをあげるとは限らないことに注意が必要だろう。

 個人投資家が耳寄りな情報を掴んだとしても、大抵の場合は市場はすでにその情報を織り込んでおり、それまでに多くの投資家がポジションを作っている可能性が高い。その耳寄りな情報が正しかったとしても、高値圏の銘柄を掴んでは仕方がない。もちろん、景況感の方向性を見るのは重要だが、それ以上にバリエーション的に割高か割安かの視点を持つ方が重要だろう。

 指標や業績発表は、発表されれば価格に織り込まれてしまうため、最大のポイントはマーケットに影響を及ぼすようなイベントを事前に確認して、直前直後にどう投資判断するのかだろう。

 例えば、2016年を振り返れば、Brexitと米国大統領選挙という絶好の買い場があった。背景には、今のマーケットはアルゴリズム取引の存在感が増しているため、イベントで想定外のことが起きると、オーバーシュートする可能性が高いことがある。

 2月末にはNYダウが13連騰したが、どう考えても割安ではない。1年間このままいくとは思わない。欧州主要国での選挙も多く、いかにそういうイベントを早めに認知して、割安な局面で仕込めるかが年間パフォーマンスの優劣を決めると思われる。

 特に日本のマーケットは非常にボラティリティが高いため、こういったマーケット環境では、利益をあげるチャンスは多くなるのではないだろうか。(第110話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

エコノミスト永濱氏の新刊も是非お読みください。
60分でわかる「マイナス金利」
第一生命経済研究所
首席エコノミスト:永濱利廣(監修)

mainasu2016年1月29日に日銀の金融政策決定会合で決定され、2月16日から実施された「マイナス金利」。

プラスであることが当たり前の金利がマイナスになるとは、いったいどういうことなのか?

日本の経済を再生する原動力となるのか?

そして、私たちの生活にどのように関係するのか?

誰もが疑問に思うことを、Q&A方式を用いて簡潔に解説していきます。
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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第113話)

第113話:「当たり前のことをやり続けること」は当たり前に難しいものです。

 仕事の出来るビジネスマンを表する言葉のひとつに、「当たり前のことを当たり前にやる」という表現があります。確かに、やらなければならないことを、さもなくやる遂げることは何事においても基本であることに違いはありません。しかし、それがなかなか出来ずにいる場合の方が多いように思います。

 「朝早く起きることは健康に良い。グズグズとしていては、かえって身体によくない。何よりも心にゆとりがなくなってしまう」という当たり前のことが、なかなか出来ないのです。「使ったものは、元あった場所に戻しておく」。その通りです。ましてやオフィスにおける共有の備品類であればなおのことで、自分さえ良ければ他人のことは知らないでは通りません。ところが、そのようなことでも出来ずにいることがあります。まるで幼稚園のクラスで聞いたような決まりごとです。

 暮らしの基本もそうですが、仕事の進め方にも基本があります。自分の今やっていることの逐次報告。プロジェクト対応における次ステップの想定と準備。プロジェクト・アウトプットの早期想定とそのための段取り。業務遂行における自分自身の役割認識とその対応・・・。どの一つをとっても創造性が要求されるものです。決められたルールがあるものであれば良いのですが、そうでないものもあります。自分自身が「当たり前」を創っていかなければならないものもあります。決めたならば守り続ける。そうすると、いつかそのやり方が周囲の当たり前になります。

 では、企業の行動における当たり前とは何でしょうか。企業は経済行為をする集団ですが、その行為は社会に役立つものであることが大前提です。社会に対して嘘をついてよいという当たり前はあり得ません。時にマスコミをにぎわす、企業の嘘つき行為の数々。トップが頭を下げる姿を見るにつけ、企業行動の「当たり前」とは何かを、幼稚園時代に戻って考え直した方が良いような気がしてしまいます。(第114話に続きます)

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第108話)

第108話:AIと投資

 AIやIoTという言葉を連日耳にする。金融マーケットにもAI発達の影響は見受けられ、ボラティリティは大きくなっている。例えば昨年、ポンドのフラッシュクラッシュがあった。真相は不明だが、イギリスのメイ首相のネガティブな発言に対して、AIのプログラミング、いわゆるアルゴリズム取引が反応し、一気にとてつもない量のポンド売り注文が殺到した可能性が指摘されている。

 今後もボラティリティが高まる傾向は続くと思われる。トランプ大統領誕生の乱高下もそうだった。東京市場はトランプ大統領誕生で条件反射的に「リスクオフで売り」であった。しかし、その後の議会選挙で上下院共和党過半数となりねじれが解消され、トランプ氏が唱える大規模なインフラ投資と減税の実現可能性が高まり、米国経済は短期的に成長する可能性が高いということで買い戻された。

 おそらく「トランプ大統領誕生で売り」のアルゴリズム取引が大量に仕込まれていた可能性が高い。つまり、AIは大統領選速報のヘッドラインだけを見て売り注文を出した。そのため、本質的な価値を見誤り、東京市場で買い向かった人は大きな果実を得ることになった。このように、現在のマーケットはボラティリティの大きさを逆手に取った投資ができる一つの事例であろう。

 一方、AIの発達によって将来多くの職がなくなると言われている。日本では、良い大学に行って一流のホワイトカラーを目指すべきといった風潮が強いように感じられる。しかし、ドイツやスイスであれば、頭を使って生計を立てていくか、手に職をつけて生計を立てていくかについて、若い段階で選択が迫られるデュアルシステムが導入されている。日本でいえば、高校に進学するときくらいに将来のざっくりとした道筋を描くことになる。

 スイスの時計がなぜ世界中で評価されているかというと、熟練工を育成する制度、評価する土壌があるからだろう。製造業のみならず、手に職をつけることがAI時代を生き抜くひとつの方法ではないだろうか。

 近年は、タンス預金が増えたり、金庫が売れたりという話が聞かれるが、AI時代における資産運用は、もう少なくともデフレではない状況にきているため、やはり今まで以上にインフレヘッジが重要になってくると思われる。

 近年の市場はオーバーシュートの連続である。オーバーシュートとは、本来の価値より売られすぎたり、買われすぎたりしているということである。原因は色々あるが、AIによるアルゴリズム取引もその原因のひとつであることは間違いない。ボラティリティが高くなっているだけに、仕込みのタイミングさえ大きく間違わなければ、利益をあげる可能性は高い環境だと思われる。(第109話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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60分でわかる「マイナス金利」
第一生命経済研究所
首席エコノミスト:永濱利廣(監修)

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プラスであることが当たり前の金利がマイナスになるとは、いったいどういうことなのか?

日本の経済を再生する原動力となるのか?

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第107話)

第107話:重要な女性も大黒柱の意識

 国立社会保障・人口問題研究所の「結婚と出産に関する全国調査」によると、殆どの女性が結婚相手の経済力を重視している。しかし、労働市場では、女性の社会進出に伴い、男性の価値が低下する「男性不況」が起きている。雇用形態の変化で、年収300万円以下の低所得の男性が1998年を境に増加傾向になった。年収が低いほど結婚ができない状態になっている。

 最近、雇用状況は改善され、若い世代の就職環境は良くなっている。しかし、もう少し上の世代、ロストジェネレーションと呼ばれる30代半ばから40代前半の就職氷河期世代はまだ厳しい。非正規雇用のまま長いこと過ごすと、よほどのスキルを持っていないと正社員になるのは難しい状況は変わっていない。 一方で、女性の社会進出が結婚におけるミスマッチを増幅させている。一昔前までは女性の所得水準が一般男性よりも低かったため、所得水準の高くない男性ともマッチングしやすかった。

 しかし、男女の賃金格差は縮小し、直近の大卒内定率は女性の方が高い。個別企業の人事担当に聞くと、口をそろえて女性のほうが優秀だと言う。そのこと自体は良いことだが、収入の高い女性が収入の低い男性と結婚したいかというと難しい。高学歴高収入同士で結婚する「同類婚」の傾向が強くなり、低所得の男性をめぐる状況は厳しくなった。

 また、結婚すると子供を産み育てることも考えなければならない。少子高齢化で日本の財政や社会保障がますます厳しくなるのに、自分の収入で果たして将来、自分の子供が幸せになれるのかという不安もでてくる。

 いっそのこと、女性が男性を養う「女性も一家の大黒柱」という意識が広がれば、婚姻率は上がる可能性もある。ただ、これまでの歴史、文化を踏まえると、そのような考え方をする人はまだ少数派である。今後、学校教育や、テレビ、ネット等で、こうした考え方を発信していき、受け入れられるようになればいいのではないか。

 また、婚姻や出産が女性のライフプラン上でマイナスになっている現状を変える必要もある。日本は同じ会社で長く働くほど、収入も待遇も評価されやすい。米国のように職種別の労働市場が構築され、その人の成果に応じた給料が払われ、流動性が高くなれば、新卒一括採用、定年制、年功序列といったものが薄まる。多様な働き方が認められるようになれば、女性が出産・育児でいったん仕事を中断したり、他の会社に転職したりしても、働きやすくなる。

 日本は結婚と出産がつながっているため、非婚は人口減少を招き、社会保障財政が維持できなくなる問題が起きる。フランスのように、子供を多く養育すれば、税制優遇や年金が上乗せされる制度を導入すればいい。高い技術をもった労働者や日本に貢献してくれるような留学生の永住権の取得を緩和する等の移民もある程度容認すべきだろう。欧米では移民の出生率が高いことから、日本でも人口が増え、婚姻率減少の歯止めにもなるだろう。総合的な対策が求められている。(第108話に続きます)

永濱 利廣 氏

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経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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