清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第70話)

第70話:感動する「広告」に長く出逢っていない気がします

 広告という漢字があるからでしょうか、マーケティング要素のひとつとして、広告の持つ役割は「広く:広範囲」「告げる:知らせる」と理解されるようです。「広」の文字であるので、言葉の持つ意味が歪曲されたように思えます。明治初年には、Advertisingに「公告」の文字を充てていたと言われます。しかし本来は、「気付いて振り返させる」を語源としています。とすれば、「広く・多く」に意味があるのではなく、「気付かせる」ことにこそ意味があるのです。

 そのような想いで、TVに流される広告を見ていると、その感動のなさには何とも言いようもなく、悲しくすらなってしまいます。続きはWebで見て下さいといった、予告編的なメッセージだけが流れるものもあります。そもそもが、TVを使って強いインパクトを提案しようとする想いを感じさせません。種類だけは多いのですが、心に残るフレーズすらない。旬と思わせるタレントを使えばそれで善しとするような表現にも出会います。

 かつては、広告を通じて新しい商品に触れ、先進のライフスタイルに憧れを抱いていました。その後、企業は、自らの存在を社会に発信し、選ばれる存在になることを求めた広告を展開してきました。しかし今、広告は多岐に渡るメディアを通じて、多くの関係者とのより良い関係をつくる役割を求められています。だからこそ、一方向的なメッセージの伝達に止まらない、自らの世界への引き込みを目的としている広告に出会うことが多くなったと実感しています。

 であるならば、TVの広告は、詳細な情報空間に誘うための単なるガイド役を果たせばそれでよいのでしょうか。ガイド役なのだから、表現の美しさを含めたレベルは問わず、ただ記憶の片隅に名前を刷り込むだけでよいのでしょうか。

 とすれば、広告を見て感動することなど、夢のまた夢と言わざるを得ないこと。(第71話に続きます)

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清野氏 大学 講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第46話)

第46話:米国利上げと消費増税の影響

 米国の利上げも2016年の景気を占う1つのキーワードとなる。米国は2016年も金融引き締めを継続する予定となっている。しかし、FRBは2015年9月のFOMC時点で4回の利上げを予想しているが、市場のコンセンサスは今年2~3回の利上げとなっている。従って、今後の利上げのペース次第では、マーケットが過剰に反応し長期金利が急騰することや、新興国の通貨が下落することがリスクとなる。しかし、米国経済が順調に拡大する中で、それに見合った利上げが実施されれば、日本経済に限ればプラスの効果が高いのではないだろうか。

 利上げができるということは、それだけ米国経済が回復しているということである。イエレン議長の利上げの打ち出し方次第では、一時的に市場はネガティブに反応するかもしれないが、日本としても、米国景気の回復を反映してドル高・円安となることで、株価が上がりやすくなる。実物経済面でも日本の財やサービスの競争力が増し、輸出も促進されるだろう。こうした点で、日本経済にとってプラスの面が大きいのではないだろうか。また、世界最大の米国経済の正常化が、マーケットを不透明にさせている中国経済にもプラスに作用すれば、世界の金融市場にも好材料となるだろう。

 一方、今年の日本経済の状況については2013年との類似点を見出すことができる。背景には来年4月に控える消費税率の引き上げがある。2014年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要は、それまで大胆な金融緩和と機動的な財政政策で成長してきた日本経済に勢いをもたらした。これを受けて、日本の住宅市場は2013年9月まで駆け込み需要が発生した。また、当時は株価が上昇し、個人消費も資産効果と駆け込み需要が押し上げるとともに、不動産市場にも資金が流入することで不動産市場も盛り上がった。

 今回も状況は似ている。背景には、来年夏の参院選までに景気を悪くすることはできず、2017年4月の消費税率引き上げも確実にしたいということがある。これを受けて、アベノミクスの新三本の矢の具体策が打ち出されるとともに、積極的な財政政策が実施される可能性が高まっている。また、今回は原油価格が下がっていることもあり、これも景気を下支えする可能性が高い。短期的には日本経済における良い環境が期待できると判断できる。

 2016年10月以降は住宅市場に駆け込み需要の反動は避けられず、全体としてはまだら模様にはなるかもしれないが、2016年の景気は回復傾向で推移するという見方でいいのではないだろうか。(第47話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所 

経済調査部 主席エコノミスト 

永濱利廣

 

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経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

 

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復  

 

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?   

原秀治の“わくわくイノベーション”コラム/地域未来を考える(第23話)

第23話:ぶれない軸

ビジネスや日常の会話の中で、「あの人は、ぶれている。ぶれていない」。さらに、「ぶれているのは軸がないからだ。」などということを聞きます。

では、「ぶれない軸」とはどんな軸のことでしょうか?

例えば、ビジネスコンサルティングの仕事をしている時、経営者に対して仕事上での問題解決を行うケースがありますが、なぜ?と失敗の原因を謙虚に深堀して考える人がいます。そして、解決策を考え軌道修正していきます。この社長さんは、「仕事の目的と方向性を示す」という軸があるのです。

一方で、失敗の原因は、「景気が悪いから、運が悪かった、お金がないから」などと「他人ごと」のように嘆くだけの社長さんがいます。こちらは、「軸がない」ということになります。

船の航海で例えると、「軸がない」というのは「羅針盤がない」のと同様であり、どこに向かっているのか分からない状態であり、自分自身では判断決断ができずに路頭に迷い、目的地に辿り着くことがない状態が続きます。

その船に乗っている船員(会社員や職員)は、方向性が定まっていないので、迷い悩み、仕事も楽しそうではないし、仕事の目的が分からないまま日々を過ごすことになります。

まずは、この方向に進めば目的地に辿り着けるのではないかという軸を「仮説」として設定することが必要です。

軸をしっかりと持っていれば、ブレも迷いもなくリードしていくことができます。軸を持てば、「悩むのではなく考える」ようになります。(第24話に続きます)

 

毎月開催している「わくわくイノベーション塾」では、参加者の想いと対話を重視した「オープンな共創の場」の提供により、皆さんと一緒に地域の未来を描いています。

 

  • わくわくイノベーション塾の詳細は、下記リンクの「新着情報」でご覧になれます。

http://www.biznavi.co.jp/news/165.html

https://faavo.jp/fukuoka

 原 秀治 氏

原 秀治 氏

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー

シニア・コンサルタント 原 秀治

Eメール:shuji@biznavi.co.jp

URL: http://www.biznavi.co.jp/

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☆原 秀治(はら しゅうじ)

☆所属コンサルティング会社

株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・シニア コンサルタント(MBA)

・FAAVO福岡(ファンド最高運営責任者)

 

☆専門領域 (企業コンサルティング&研修講師)

・問題解決思考法

・問題解決の交渉術

・未来創造セッション

 

☆開催セミナー&研修(主な実績)

・「わくわくイノベーション塾~地域の未来を考える~」毎月開催

・「地域×クラウドファンディング活用セミナー」随時開催

・「誰でも分かるアイデア発想法」ワークショップ

・「問題解決思考法」研修

・「問題解決のビジネス交渉術」研修

・「問題解決リーダーシップ」研修

・「ロジカル シンキング」研修

・「クリエイティブ シンキング」研修

・「アイデア実現!ビジネスモデル作り」研修

・「地方自治体の政策形成」研修

・「新入社員の心構え」研修

・「プレゼンテーション力」研修

 

☆株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・福岡市中央区舞鶴3-1-10 セレス赤坂門4F

・tel:092-761-6130

・メール:shuji@biznavi.co.jp

・HP:http://www.biznavi.co.jp/

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第69話)

第69話:企業の未来には、ふたつの「はっしん」力が問われます。

 日本における企業成立の時期に関する論は、さまざまあります。室町時代の商家の成立にその源流を見ることもあり、また、明治維新時の官業・民業の成り立ちを原点とすることもあります。その後の時の流れの中で今、戦後の経済復興期以来続いてきた多くの日本企業のモデルが、社会・経済環境の変革期にあって機能不全を起こし、新たな企業のあり方が問われています。

 企業は何を目指すのか。どこに向かうのか。その方向が定まらぬままでは、企業自体の存在は不安定になってしまいます。本来の夢が無いままでは、組織としての活力の動機付けも希薄になってしまいます。自らの存在を問い直し、将来の組織の理想を思い浮かべるのは、何もトップだけの仕事ではありません。組織構成員一人ひとりの描く未来そのものを、考え描く時代でもあります。一般的に企業の戦略は、外部環境変化に適応すべく、自らの資源の最適配分行動と理解されています。しかし、従来から言われる戦略構造化の論理は得てして、環境変化の読み込みと自社資源の分析に主眼が置かれてきたきらいがあります。新時代の戦略デザインには、まず夢想した未来像(ビジョン)への行動計画を描くことが第一です。

 今、企業に求められるのは、まさに今世紀ビジョンの構想です。将来方向を示唆したビジョンは、経営の意志表明であり、市場との対話の基点となる発言と捉えることができます。しかも、ただ語っただけでは何の変化も始まりません。発信すると共に、動き始めること、「発進」する力が必要です。

 この問いかけは、企業経営に限ることではありません。わが国自体に投げかけられていると思います。自分の在るこの国も、未来に向けた「発信と発進」の力が今、求められているのではないでしょうか。(第70話に続きます)

 

 

清野氏 九州生産性大学 講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第45話)

第45話:2016年どうなる日本経済と景気

 今年の日本経済を一言で表現すると、昨年秋の追加緩和による円安と原油価格の下落によって大企業を中心に企業業績は最高益を更新したものの、企業の慎重姿勢により分配活動が不十分だった。好調な企業業績を反映して株価も2万円台に到達した。それなのに景気が足踏みしたのは、好調な賃上げ結果となった割に実質賃金の回復が芳しくなかったことがある。また、夏場にかけて深刻となった中国経済への不透明感も、企業の設備投資に対する慎重姿勢を誘発したこともある。

 こうした中、来年の景気を占ううえでは補正予算が大きなカギを握っている。安倍政権は新アベノミクスとして、世代別の希望にこたえる対策で「一億総活躍」を目指すことを打ち出した。具体的には新三本の矢として「GDP600兆円」「出生率1.8の実現」「介護離職ゼロ」を打ち出している。また、働く人全体の懐を温かくして個人消費の喚起につなげたいと、最低賃金を毎年3%程度ずつ引き上げ、2020年ごろに1000円にする目標も明記している。いずれにしても、来年夏の参議院選挙をにらんで家計に焦点を当てた補正予算が打ち出されるだろう。

 2015年9月時点で就業希望の女性非労働力人口は293万人存在しており、中でも育児と介護が理由で求職活動できない女性が107万人を占める。今回の補正予算では、育児や介護にかかわる人が仕事を辞めずに両立できるよう、保育・介護施設の整備が組み込まれるだろう。補正予算の規模は3~4兆円程度とされており、住宅建設に関連する業界には恩恵が及ぶ可能性がある。

 消費再増税前の駆け込み需要効果もやはり大きい。安倍総理大臣によれば、現時点ではリーマンショック級の事態にでもならなければ予定通り再増税と説明している。法律を改正することで消費再増税は延期可能だが、社会保障の財源となっているため、現時点では予定通りの消費再増税がメインシナリオになると思われる。消費再増税となると、住宅購入に関しては前年9月までの契約で消費税率8%が適用される。これで住宅購入の駆け込み需要が発生するため、来年に限った住宅市場には追い風となる。更に、年末に向けて耐久消費財を中心とした個人消費の駆け込み需要もそれなりに期待できる。2017年の消費増税後の反動減は避けられないものの、来年の日本経済を押し上げる可能性は高い。

 しかし、消費税率引き上げの後は市場が冷え込む要因にもなる。従って、来年度も補正予算が打ち出される可能性が高い。結果として、再来年に控える消費再増税は、来年の日本経済にとっては一時的な追い風になるとしても、その後の景気を冷え込ませる可能性が高いだろう。(第46話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所 

経済調査部 主席エコノミスト 

永濱利廣

 

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経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

 

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復  

 

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?