清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第72話)

第72話:相手との「距離」を測ることが顧客関係を深めます。

 初めて会ったにもかかわらず、言葉遣いが馴れ馴れしい人がいます。ビジネスの関係もそうですが、デパートをはじめとして幾つかの店でそのような体験をすることが多くなったように感じます。店に入って、品定めをしている最中からもう友だち。「これなんか良くない?」と語尾の上がった節回し。「ちょ~似合ってるよ」と若者から励ましの言葉。途端に購買意欲が減退します。

 ビジネスの関係もしかり。出逢った最初は、おもむろに名刺の交換があり、何となく、お互いが丁寧語でプロジェクトの進捗などをやり取りします。しかし2度目のミーティングがいけない。既にして友だち。「あ~、こないだはど~も。あの件、出来てる?!おーっ、さ~すが~」。何がさすがなのか、当方は当たり前の自分のペースで仕事をしたに過ぎない。特別に驚いてもらう必要も無い、ごく普通のことです。しかし、30代前半と思しき男性にとってみると、時間通りに出来上がることは凄いことらしい。何とも言えぬ認識のギャップです。

 最近は、親しくなることの履き違え状況によく出逢います。親しさと馴れ馴れしさの履き違えでしょう。親しい関係とは、相手の様子や心情までも深くかかわりを持って知ることにより生まれる距離です。これ以上のことを言っては、相手は傷つく、あるいは自分自身が誤解される、といった一定の距離の中での想いが錯綜するもの。だからこそ、ビジネス上の関係が長く続くことにもなるのです。ずけずけと、容赦なく人の感情の中に土足で入ってこられたのではたまりません。親しさを超えた馴れ馴れしさです。

 馴れ馴れしい言葉遣いや態度を示すことが、相手との近接関係になると考える者もいるようです。しかし、そこに感情のやり取りは見受けられず、一方通行です。自らの価値観を押し付けようとする意図すら見え隠れします。相手を知ろうとする意識が薄いのです。

 マーケティングの原点は、顧客の理解に始まります。顧客との距離は、馴れ馴れしく語りかけることではなく、先ずは自らの顧客の存在を知り、相手の立場に立って語りかけることにあるのですが。(第73話に続きます)

 

清野氏 法政大学2015年最終講義:2015.12.21

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第47話)

第47話:軽減税率導入のマクロ的影響

 自民・公明両党は12月12日に、2017年4月に消費税率を10%に引き上げる際に導入する軽減税率の対象品目について、加工食品まで含めることで合意した。実際、財務省によれば、必要な財源は最大1兆円規模に上ることが想定されており、自民党は幅広く軽減税率の対象にするように求める公明党に譲歩した形となった。

 そこで今回は、軽減税率の導入がマクロ経済的にどのような影響を及ぼすかについて分析する。まず、酒類・外食を除く食料品は生活必需性が高いため、これらの消費税負担が軽減されれば、低所得者層にも一定の恩恵が及ぶ可能性がある。ただ一方で、生活必需品においても高所得世帯の消費額が高いことが予想されるため、相対的に高所得世帯への負担軽減額が大きくなる可能性もある。

 実際、総務省の家計調査を用いて、二人以上の世帯主の年齢階層別と年収階層別に分け、2014年の消費支出に占める酒類・外食除く食料の割合を算出した。結果は、世帯主の年齢階層が高いほど酒類・外食除く食料の割合が高く、軽減税率の恩恵を受けやすいということになる。また、年収階層別でみると、年収600万円未満世帯で酒類・外食除く食料割合が平均を上回る。従って、酒類・外食除く食料に軽減税率が導入されると、消費割合だけでみればシニア層や中低所得世帯への恩恵がより大きくなるように見える。

 しかし、支出の比率は低くても、支出金額でみると高所得世帯のほうに恩恵が多く及ぶ可能性もある。実際に、総務省家計調査(2014年)を用いて、世帯主の年収階層別における酒類・外食除く食料支出額をみると、年収200万円未満は約46万円なのに対し、年収1500万円以上世帯では同104万円となっている。

 そこで、2014年の総務省家計調査を用いて世帯主の年齢階層別の負担軽減額を算出すると、世帯主の年齢が30代以上の世帯では1万円/年を上回るも、世帯主が20代以下になるとその額が1万円/年を大きく下回る。同様に、世帯主の年収階層別では、年収が1500万円以上の世帯では負担軽減額が1.9万円/年を上回るも、年収200万円未満ではその額が1万円/年を下回ることになる。

 なお、加工食品も適用対象にするには1兆円の財源が必要になる。自民党と公明党の協議により、総合合算制度の見送りで4千億円の財源確保は可能となっているため、残りの6千億円の財源をどう確保するかが今後の課題となる。自公の協議では、あらかじめ軽減税率のために赤字国債は発行しないと決めているが、たばこ増税や社会保障サービスの縮減などを通じて軽減税率とは別に負担増になる可能性もあることには注意が必要である。

 一方、財務省の試算によれば、2017年4月から軽減税率を導入せずに消費税率が10%に引き上げられると、最終的に税収が5.6兆円増えることになる。これは、一方で酒類・外食を除く食料を軽減税率の対象品目とした場合の必要な財源が1兆円となるため、家計全体では4.6兆円程度の負担になることを示唆している。(第48話に続きます)

 

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所 

経済調査部 主席エコノミスト 

永濱利廣

 

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経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

 

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復  

 

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?   

原秀治の“わくわくイノベーション”コラム/地域未来を考える(第25話)

第25話:組織変革のリーダーシップ

答えのない時代には、答えを考える思考力と仮説を検証していく行動力が必要です。今回は、行動にフォーカスした「問題解決型リーダーシップ」について述べます。

コンサル先での問題解決の中で、上司のリーダーシップについて不満をもつ社員(職員)が多く、リーダーシップとは何かについて一緒に考えていくケースがあります。

上司からのコメントは、「部下が何を考えているか分からない。意欲がない。努力しない。」という意見が出てきます。

一方、部下からのコメントは、「上司が理解してくれない。仕事を任せてくれない。方向性を示してくれない。」という意見が出てきます。

不満を述べている部下も、数年経つと自分が部下をもつようになります。そして、上司の立場として仕事の問題をどのように解決して良いのか迷い悩み、とりあえず過去の経験や思いつきなどの結論の出し方により、部下から不満を抱かれているという行動が繰り返されています。

この問題は、個々人の「やる気」だけが原因ではなく、リーダーシップとは何かを考え、組織としてリーダーシップ力を高め、リーダーを育成していく制度の欠如が考えられます。

問題解決型リーダーは、あるべき姿となるゴールを明らかに示し、現状とのギャップ(問題)の原因と解決策を部下と共に一緒に考えます。そして、解決の行動となる仕事を任せて、責任感をもって検証を繰り返しながらゴールという達成感をチームに与え、部下の能力を引き出す人なのです。与えた仕事を管理するだけの上司は、リーダーではなくマネージャー(管理者)です。

このように、リーダーシップには問題を解決する考える力と部下とのコミュニケーションとなる対話力が必要なのです。(第26話に続きます)

 

毎月開催している「わくわくイノベーション塾」では、参加者の想いと対話を重視した「オープンな共創の場」の提供により、皆さんと一緒に地域の未来を描いています。

 

  • わくわくイノベーション塾の詳細は、下記リンクの「新着情報」でご覧になれます。

http://www.biznavi.co.jp/news/169.html

https://faavo.jp/fukuoka

原 秀治 氏

原 秀治 氏

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー

シニア・コンサルタント 原 秀治

Eメール:shuji@biznavi.co.jp

URL: http://www.biznavi.co.jp/

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☆原 秀治(はら しゅうじ)

☆所属コンサルティング会社

株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・シニア コンサルタント(MBA)

・FAAVO福岡(ファンド最高運営責任者)

 

☆専門領域 (企業コンサルティング&研修講師)

・問題解決思考法

・問題解決の交渉術

・未来創造セッション

 

☆開催セミナー&研修(主な実績)

・「わくわくイノベーション塾~地域の未来を考える~」毎月開催

・「地域×クラウドファンディング活用セミナー」随時開催

・「誰でも分かるアイデア発想法」ワークショップ

・「問題解決思考法」研修

・「問題解決のビジネス交渉術」研修

・「問題解決リーダーシップ」研修

・「ロジカル シンキング」研修

・「クリエイティブ シンキング」研修

・「アイデア実現!ビジネスモデル作り」研修

・「地方自治体の政策形成」研修

・「新入社員の心構え」研修

・「プレゼンテーション力」研修

 

☆株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・福岡市中央区舞鶴3-1-10 セレス赤坂門4F

・tel:092-761-6130

・メール:shuji@biznavi.co.jp

・HP:http://www.biznavi.co.jp/

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第71話)

第71話:「環境」問題は、暮らしにいきる「おもいやり」のこと。

 「環境」の文字に出逢うことが多くなりました。マーケティング・スタッフの仕事を通じて使うビジネス場面での環境は、まさに現在起きているビジネスの「状況」や「様相」のことであり、競争環境・業界環境・社内環境といった言葉が飛び交います。そのまま、競争の様子、業界の状況、社内の雰囲気と置き換えて解釈した方が具体的にイメージが広がります。

 ただ最近は、ビジネスの環境に止まらず広い分野で「環境」の文字に出逢います。地球温暖化に代表される、「地球環境」の問題。都市生活における「都市環境」「生活環境」。更には、人間関係の変化にともなう「社会環境」は、暮らしの変化を言うこともあります。親子関係や兄弟の関係を話題にした「家庭環境」。もちろん自分自身のことを言う「体内環境」「口内環境」を謳った商品広告にも出逢います。

 「環境」と言われると、自分自身の身の回りに対して、常に心しなければならない「思いやり」への警鐘のようにも聞こえてきます。地球上にある諸物を傷めることなく使う心や行動。人間関係を滑らかにする言葉や行動。社会の共有物を大切にする想い。時に自分の身体をいたわる心。その全てを「環境」の言葉で収めてしまうと、先ず何をすべきか、どう対処すべきかの判断がしにくくなってしまうような気がします。

 ビジネス環境、マーケティング環境もしかりです。環境変化に何をすべきか、どうすべきかを考えようとしたとき、「今起きている競争相手の動き」「自社製品の店頭での位置づけ」といった言葉に「環境」を置き換えて考えると、もう少し行動に転化出来そうです。

 自分自身に起きている「環境」問題は何でしょうか。改めてデスク回りの「環境:状況」を見直す。

 

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清野氏 大学 講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

Eメール: maps@mapscom.co.jp

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原秀治の“わくわくイノベーション”コラム/地域未来を考える(第24話)

第24話:掘り下げる考え方

ビジネス現場でありがちな判断決断の仕方に、最初に考えたアイデアや解決策を不確実性が高いまま実行する人がいます。何も実行しない人よりも主体性や行動力があることは褒めたいのですが、挑戦というよりは無謀という言い方の方が当てはまるのではないでしょうか?

以前のコラムで、最初に3つぐらいのアイデアや解決策を考えることで、たった1つの思いつきによるアイデア出しや「これしかない」という思い込みを防ぐことが必要だということは述べさせていただきました。

では、次のステップで大切な考え方は、問題の原因や解決策を掘り下げていくという考え方です。

掘り下げていくために最も有効なツールは、「なぜ?」という質問を繰り返すことです。有名な事例では、トヨタ自動車の「なぜ」を5回繰り返すことで本質的な原因や解決策に辿り着けるという考え方が非常に参考になります。

「なぜ」以外の言葉では、「どうして?ほんとに?具体的には?どのようにすれば?事実は?」も有効な質問ツールです。

しかし、掘り下げても本質的な原因や解決策に辿り着かない場合は、いつまでも掘り下げ続けるのではなく、横にずらして新たに掘り下げていくという柔軟な発想も必要となります。

そして、その複数の代替案を要約または優先順位を決定することで結論(仮説)という仮の答えを考えることができます。

さらに、仮の答えの検証を横と縦の考え方で検証していくことで、仮の答えが「答え」に辿り着くのです。

この考える力は、答えに近づくために必要な第1歩となる勇気の源になります。(第25話に続きます)

 

毎月開催している「わくわくイノベーション塾」では、参加者の想いと対話を重視した「オープンな共創の場」の提供により、皆さんと一緒に地域の未来を描いています。

 

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http://www.biznavi.co.jp/news/165.html

https://faavo.jp/fukuoka

 原 秀治 氏

原 秀治 氏

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー

シニア・コンサルタント 原 秀治

Eメール:shuji@biznavi.co.jp

URL: http://www.biznavi.co.jp/

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☆原 秀治(はら しゅうじ)

☆所属コンサルティング会社

株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・シニア コンサルタント(MBA)

・FAAVO福岡(ファンド最高運営責任者)

 

☆専門領域 (企業コンサルティング&研修講師)

・問題解決思考法

・問題解決の交渉術

・未来創造セッション

 

☆開催セミナー&研修(主な実績)

・「わくわくイノベーション塾~地域の未来を考える~」毎月開催

・「地域×クラウドファンディング活用セミナー」随時開催

・「誰でも分かるアイデア発想法」ワークショップ

・「問題解決思考法」研修

・「問題解決のビジネス交渉術」研修

・「問題解決リーダーシップ」研修

・「ロジカル シンキング」研修

・「クリエイティブ シンキング」研修

・「アイデア実現!ビジネスモデル作り」研修

・「地方自治体の政策形成」研修

・「新入社員の心構え」研修

・「プレゼンテーション力」研修

 

☆株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・福岡市中央区舞鶴3-1-10 セレス赤坂門4F

・tel:092-761-6130

・メール:shuji@biznavi.co.jp

・HP:http://www.biznavi.co.jp/

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