清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第66話)

第66話:新幹線車中の生態に「細分化」の基準が見えてきます。

 月に何回か新幹線で移動する機会が増えると、まさにさまざまな人に出会うもの。特に凝視して観察するわけではないのですが、自然と眼に入る光景に、今の時代の縮図を見る想いすらあります。変化に適応する企業行動を考えるマーケティングの分野に身を置くからでしょうか、さまざまな生態に自然と問題意識が高まるものです。

 座るやいなや、バックからパソコンを取り出し、書類のチェックやメールのチェック。出張小物の一つにパソコンが加わっています。携帯電話はマナーモードに・・・とのアナウンスがあるにもかかわらず、呼び出しの音。心地よい音楽もあれば、何とも賑やかな音も。黙々と画面に見入る人もいます。大切な人からのメールかと思いきや、ゲームに熱中。

 静かな集団に混じって、大声が車中に響き渡る。自社の営業成績とあわせて上司批判の声。固有名詞はわからぬまでも、大声であるがゆえに、何を話しているのかは聞こえてしまいます。前向きに何かをしようという話ではなく現状への批判が多い。挙句の果ては、あの人が悪いの個人批判。現状否定から未来は見えないと思うのですが、口角泡を飛ばすのは現状否定の方が盛り上がるのでしょうか。

 日中の移動では、鏡に反射する光に出逢います。車内化粧行動。新幹線は安定走行をしますが、それでも微振動はある。まさに器用です。小刻みな揺れの方が、目の周りを整えるには都合が良いのでしょうか。かなりの時間が過ぎる。それでも鏡からの光は途切れることなく車内を駆け巡る。他人への迷惑などという考えは微塵も無いようです。

 小さな子どもを抱いた母親が乗り込む。故郷に帰るのでしょうか。子どもの健康と自分のことを考えれば、禁煙車両に乗ったほうが良いと思うのですが、何故か喫煙車両。子どもを抱きながらの喫煙。見ているだけで危険を感じてしまいます。

 さまざまな車中行動から人の生態の異質性を感じます。しかし、併せて同質的な価値観も垣間見えます。細分化を考えるきっかけになる新幹線車中です。(第67話に続きます)

 

清野氏 研究会講義中

清野氏 研究会講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第42話)

第42話:2016年 世界のGDP予測 実額で示す

 世界経済は今、大きな分岐点に差し掛かっている。2010年代に入ってシェール革命が進む中で、中国経済の減速等により2014年夏以降、急激に原油価格が下落した。一方、2008年秋、リーマン・ショックをきっかけとした米国の量的緩和政策は2014年10月に終了し、米国経済は金融政策の正常化に向かいつつある。

 2016年のIMFの世界経済見通しを国別でみると、米国の経済規模は、18.7兆ドル、シェアで24.5%という見通しになっており、世界最大の経済大国の地位を確固たるものとしている。このシェア拡大の原動力となっているのが原油安等に伴う消費の追い風と金融政策の正常化に伴うドル高である。一方、先進国の中で米国と双璧をなすユーロ圏の経済規模は、11.9兆ドルとシェア15.6%を占めると予測される中、ユーロ圏最大国であるドイツの経済規模は3.5兆ドルとなり、シェアは4.5%となる。このため、ユーロ圏経済は原油安の追い風を受ける一方で、量的緩和政策継続に伴うユーロ安により世界経済に占めるシェアは微減となる見通しである。ちなみに日本の名目GDPは、2016年時点で4.2兆ドル、世界GDPに占めるシェアは5.5%となり、こちらも原油安の追い風を受ける一方で量的緩和政策継続に伴う円安により、世界経済に占めるシェアは微減となる見通しとなっている。

 こうした原油安と米国金融政策の正常化の中で、最もシェアを拡大させると予測されている地域が、中国やASEANを中心としたアジアである。特に、景気減速が懸念されている中国が12.3兆ドルと世界経済におけるシェアが16.1%にまで到達、これは2016年に中国が経済規模でユーロ圏を追い越すことを意味する。また、中国経済の減速や金融市場の混乱にもかかわらず、ASEANの経済規模も2016年には2.5兆ドルを上回り、世界経済に占めるシェアは3.4%に拡大すると予測されている。

 ただ、中国経済の想定以上の減速や米国の利上げによりドル高が加速したりすれば、アジア太平洋地域のシェアは想定ほど拡大しないリスクもある。実際、中国経済の減速が他の新興国等の輸出の減少をもたらしている。また、金属等の資源価格の下落ももたらし、他の新興国や途上国、それに資源の輸出国に予想以上の影響が広がっている。

 中でも影響を受けると予測されているのは、ウクライナ問題を抱えるロシアと、汚職事件が政権を揺さぶるブラジルであり、IMFではいずれも急激な景気後退に見舞われると予測している。そして、ロシアの経済規模は2016年に1.2兆ドルと世界経済に占めるシェアは1.5%と縮小し、リオ五輪が開催されるブラジルの経済規模も1.7兆ドルを割り込み、シェアは2.2%に低下することが予測されている。更に、オーストラリアやアフリカといった資源国も、2016年の経済規模は1.3兆ドル(シェア1.6%)、1.6兆ドル(シェア2.0%)とシェアを低下させると予測されている。石油価格の下落を筆頭に鉱物資源など一次産品の軟調、中国経済の後退による輸出への影響、国際金融環境の変化による新興市場への影響などがシェア縮小の要因だが、特にアフリカについては低所得国がインフラ投資や民間投資の力強さが続くものの、電力問題など供給面の制約となるようだ。(第43話に続きます)

永濱 利廣 氏
永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 主席エコノミスト
永濱利廣

ご興味ある方は エコノミスト永濱氏の新刊を是非お読みください。

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経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?

原秀治の“わくわくイノベーション”コラム/地域未来を考える(第19話)

第19話:組み合わせてみる発想法

イノベーションには、王道とも言える「コラボレーション(組み合わせ)」という発想方法があります。これは、オーストリアの経済学者シュンペーターが提唱した「イノベーションは、既存と既存の組み合わせによる新結合」であるという考え方です。

新結合により、①新しい財貨の生産、②新しい生産方法の導入、③新しい供給源の獲得、④新しい組織の実現が可能になるという内容です。

組み合わせの具体的な例では、「車+ホテル⇒キャンピングカー」、「本+お酒⇒お酒の飲める図書室」、「要介護高齢者+旅行⇒介護ツーリズム」、「大人+お菓子⇒(例)大人のたけのこの里」、「知識+知識+知識・・・⇒ウィキペディア」などがあります。

世の中に出回っている新商品・新サービスのパターンは、ゼロから発想されたアイデアではなく、既存と既存の組み合わせからのアイデアにより開発されているのです。

組み合わせのコツは、同類での組み合わせよりも、異質な組み合わせの方がユニークなアイデアが発想されやすいことです。

同類を組み合わせても、同類の延長となるアイデアが発想されるだけです。

一方、思い切って異質な組み合わせをしてみると、全く新しいアイデアや手法が発想されます。

組み合わせには、人と人との対話、オープンイノベーションによるノウハウの開示など境界線のないボーダレスな考え方が必要です。

地方創生では、地域☓補助金、地域☓イベントという従来の地域活性化策だけに固執するのではなく、視野を広げ地域内外の方々との対話により新たな関係性を生み出すことで、真の地方創生につながるのではないでしょうか?

地域☓グローバル、地域☓IT、地域☓クラウドなど、地域と異質な何かを組み合わせることで、地方創生の打ち手となる多くのアイデアが発想できるのです。(第20話に続きます)

 

毎月開催している「わくわくイノベーション塾」では、参加者の想いと対話を重視した「オープンな共創の場」の提供により、皆さんと一緒に地域の未来を描いています。

 

  • わくわくイノベーション塾の詳細は、下記リンクの「新着情報」でご覧になれます。

http://www.biznavi.co.jp/news/164.html

https://faavo.jp/fukuoka

原 秀治 氏

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー

シニア・コンサルタント 原 秀治

Eメール:shuji@biznavi.co.jp

URL: http://www.biznavi.co.jp/

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☆原 秀治(はら しゅうじ)

☆所属コンサルティング会社

株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・シニア コンサルタント(MBA)

・FAAVO福岡(ファンド最高運営責任者)

 

☆専門領域 (企業コンサルティング&研修講師)

・問題解決思考法

・問題解決の交渉術

・未来創造セッション

 

☆開催セミナー&研修(主な実績)

・「わくわくイノベーション塾~地域の未来を考える~」毎月開催

・「地域×クラウドファンディング活用セミナー」随時開催

・「誰でも分かるアイデア発想法」ワークショップ

・「問題解決思考法」研修

・「問題解決のビジネス交渉術」研修

・「問題解決リーダーシップ」研修

・「ロジカル シンキング」研修

・「クリエイティブ シンキング」研修

・「アイデア実現!ビジネスモデル作り」研修

・「地方自治体の政策形成」研修

・「新入社員の心構え」研修

・「プレゼンテーション力」研修

 

☆株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・福岡市中央区舞鶴3-1-10 セレス赤坂門4F

・tel:092-761-6130

・メール:shuji@biznavi.co.jp

・HP:http://www.biznavi.co.jp/

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第65話)

第65話:「かえる」心をもって「かわる」ことを志すことが次を創ります。

 長く生を受けていると、ひと時昔を思い起すことがあります。かつての自分は、なぜ今出来ていることが出来ずに悩んでいたのだろうかと思うこともあります。人はすべてのことが出来るのではなく、人それぞれに似合った能力を発揮するものだと思い知る時です。そして、本来自分はもっと違うことも出来る(出来た)のではないかとも思ってしまうことがあります。そう思いながら、自分自身を省みることがあると思います。人間の眼は、前を見るように出来ています。しかし、後を見ることも時には必要ではないでしょうか。前だけではなく後を見る。まさに「かえる」ことの必要性です。

 ただ、一言で「かえる」といってもさまざまあるもの。意味の違いが漢字にも現れます。

1.ピンチをチャンスに「変える」: →ネガティブ思考をポジティブ思考に変えること。

2.素材・部品を「代える」: →今あることの代用品で済むのなら、無駄の排除になるかもしれない。

3.視点と立場を「換える」: →相手の立場になって考える時間も必要である。

4.組み合わせを「替える」: →メンバーを替えると思考の回路も変わる可能性がある。

5.手順・方法を「改える」: →目標に向かって進む方法も様々あることを忘れていないか。

6.初心に「返える」: →慣れてくると、自分の過ちが見えなくなってしまうことがある。

7.すべて原点に「還える」: →何に対しても不思議だと思う子どもの感性が薄れていないか。

 時代の変わり目には、その変化を見る眼を鋭敏にしておかなければ、いつの間にか時代遅れ、時代錯誤の偏ったモノの見方に陥ってしまいます。たまには、呪文のように「かえる」コールを自問してみるのもよいものです。(第66話に続きます)

 

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株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第41話)

第41話:最も公平で現実的な家計負担軽減策

 筆者は、最も公平で現実的な家計負担軽減策は、名目GDP拡大に伴う増収分を一部還付する定額給付であると考えている。理由としては、国民全員に同額を支給するため、特定品目に関連した負担軽減よりも公平感が高くなるためである。また、定額給付金で先例があることからすれば、世帯主の年齢階層に関係なく低所得者の資金繰りにも余裕をもたらす可能性が高い。また、導入コスト面からみても、定額給付は自治体の事務負担も煩雑にならず、国民的には本人確認と振込先銀行口座の登録で済む。

 足元の経済環境をまとめると、アベノミクスにより経済のパイが拡大する一方で、消費税率引き上げや円安の副作用により低所得者を中心に生活負担が高まっていることからすれば、上振れした税収の一部を使った家計への再分配政策は不可欠であると思われる。しかし、何かしらの再分配政策が必要となれば、逆進性緩和の効果や実務的コストが低い定額給付は有力な手段といえる。

 なお、内閣府が公表している経済財政の中長期試算において、2014年度の税収が2.3兆円も上振れしているにもかかわらず2015年度の税収見通しが当初予算から変更されていないことからすれば、その範囲内で財政負担を考えたほうがいい。ちなみに、現在継続中の低所得者向けの臨時給付金は一人当たり6000円を支給して所得が少ない家計の税負担を緩和している。つまり、すでに臨時給付金を受け取っている世帯については、6000円以上の給付がなければ実質負担が増加してしまうため、あくまで筆者の考えだが、国民一人当たり1万円を給付すれば、財源は1.3兆円程度にとどまる。従って、今年度の補正予算編成を経て国民一人当たり1万円程度の範囲で定額給付をすることが検討に値しよう。

 なお、内閣府の最新マクロモデルの乗数を用いて上記の定額給付金の効果を試算すると、個人消費の+0.14%押し上げを通じて経済成長率を約+0.09%ポイント押し上げる効果が期待される。

 効果的と考えられる定額給付では、定額給付金で先例があることから事務手続きは対応可能であり、給付を先払いすれば低所得者の資金繰りにも余裕ができると考えられる。なお、定額給付となると貯蓄に回ってしまうとの指摘に応えるとすれば、景気対策として地域活性化や需要創出効果というものも必要になってくる可能性がある。そこで、地域活性化や需要創出効果を高めるには、現金のみではなくて地域や期間限定の商品券を配ること等も検討に値しよう。

 将来的にも、更なる消費増税を実施してもコストが低く公平性の高い逆進性対策を併用すれば、その後の消費増税も実施しやすくなるが、逆に再分配政策をおろそかにして国民の不満を高めてしまうとその後の消費増税が政治的に困難になる。将来の消費税率引き上げを確実なものにするという意味でも、経済のパイが拡大する中での家計負担軽減策は不可決であると考えられる。(第42話に続きます)

永濱 利廣 氏
永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 主席エコノミスト
永濱利廣

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経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?