清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第59話)

第59話:マーケティングは、お客様との合意形成プロセスでもあります。

 同じ時に同じ場面の体験をしても、人によってその折々の印象や感覚は異なったものとして残るもの。ある人にとっては感動的なことであったとしても、他者にとってみればさしたる感動をもたらさないことがあります。人それぞれに、積み重ねてきた歴史や知見は異なるものですから、同じ刺激に対しての反応が異なるのは当然です。

 しかし、ある目的を持ってゴールを目指して多くのメンバーと共に行動をする際には、一人ひとりの感覚や感性を各自が勝手にゴリ押ししたのでは、ことは運ばなくなってしまいます。目的を共有し、目指すべき目標に向かってチームメンバーが合意のもとで力を合わせる。決してきれいごとではなく、日々の仕事はそのような動きをもって進みます。全員の合意が、責任の所在を不鮮明にするというのではなく、各自の役割を明解にしながら、多くの意志を統合することが、チームを預かるリーダーの役割にもなります。

 当然、全員が納得するとなれば、腹を割った話し合いも必要です。その議論の過程では、他者の意見に対する「反論」もあるでしょう。ただひたすら押し黙って、事の成り行きに身を任せ、決まったことを渋々やっていたのでは、プロジェクト自体が滞ってしまいます。また、所期の目的を達成することも難しくなります。「合意形成」とは、さまざまな意見を丸めて、総花的で角の取れた結論を導くことではありません。ある一人の人の意見に全員が賛同することもあります。たとえ「反論」があったとしても、何に対しても「反対」の姿勢では後ろ向きです。

 そのように考えると、マーケティングの思考の基本は、仲間やお客様との「合意形成」にあると捉えることが出来ます。(第60話に続きます)

清野 裕司 氏 オフィスにて
清野 裕司 氏 オフィスにて

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
Eメール: maps@mapscom.co.jp
URL: http://www.mapscom.co.jp

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PR 永濱 利廣 氏 新刊のご紹介

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お世話になっております。
さて、9/25に永濱先生の書籍が出版されましたので、案内させていただきます。
何卒よろしくお願いします。
http://store.toyokeizai.net/books/9784492396209/
(ご購入は上のURLからもできます)

経済は「環境」と「政策」に左右されます。 だから、それらが今とそっくりの時代がもしあれば、 今後の日本経済に何が起きるかを予測できるはずです。 しかし、そんな都合のいい時代があったのでしょうか。 実は、あったのです。 それが1986年と、2014年の日本です。 80年代後半、日本は未曾有の好景気に沸きました。 それと同様、今の日本は、黄金期の入り口に立っているのです。

【1986年→1989年】 原油価格が1/3に下落 史上最低の公定歩合 公共事業費が増加に NTT株公開 消費税導入 「死んだふり解散」で自民党圧勝 「前川リポート」による構造改革 ブラックマンデーと、その後の急回復

【2014年→2017年】 原油価格が1/2に下落 金融の異次元緩和 機動的な財政政策 郵政株公開 消費税増税 「アベノミクス解散」で与党圧勝 「日本再興戦略」による構造改革 中国ショックと、その後の急回復?

原秀治の“わくわくイノベーション”コラム/地域未来を考える(第12話)

第12話:時には、ゼロベースで考えてみよう。

前回のコラムで、イノベーションへの最初のステップは、思い込みの蓋(ふた)を外すことであると伝えました。では、思い込みとはどんな状態で、思い込みを外すにはどうしたら良いのでしょうか?

思い込みが強いと、「これしかない」、「こうに決まっている」と決め込んでしまい結果的に他の考え方や選択肢の幅が少なくなってしまうことになります。

そもそも、自分自身が思い込んでいる状態に気づかないことの方が多いのではないでしょうか?

私も自分が見えなくなることがあります。そんな時は、ビジネスパートナーが新たな視点や気づきを与えてくれることで、先が見えてくることがあります。

問題の解決策を考える時やビジネスプランや企画書を作成しようとしても、既存の延長によるプランの書き換えしか考えが浮かばないことはないでしょうか?

そんな時は、これまでのやり方や成功体験などを一度リセットしてゼロベースで考えてみることが必要です。

なぜならば、変化が小さい時には、過去からのやり方や成功体験などでも十分に通用したかもしれませんが、現代のような変化の大きい時代には、過去のやり方や成功体験が必ずしも通用しなくなってきているからです。

ゼロベースとは、あらゆる固定観念や既成概念をいったん忘れ、目的を軸に考え直すことを意味しています。

具体的に言いますと、「そもそも、そのプロジェクトや企画の目的は何?」と目的をゼロベースで見直すことが必要です。

そして、目的を見直したら、事実や手法などもゼロベースで見直していけば自由な発想へとつながり、結果として新しい変化が生まれてくるのです。(第13話に続きます)

 

毎月開催している「わくわくイノベーション塾」では、参加者の想いと対話を重視した「オープンな共創の場」の提供により、皆さんと一緒に地域の未来を描いています。

  • わくわくイノベーション塾と地域クラウドファンディング(FAAVO福岡)の詳細は、下記リンクの「新着情報」でご覧になれます。

http://www.biznavi.co.jp/news/161.html

https://faavo.jp/fukuoka

原 秀治 氏
原 秀治 氏

 

原 秀治 氏

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー

シニア・コンサルタント 原 秀治

Eメール:shuji@biznavi.co.jp

URL: http://www.biznavi.co.jp/

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☆原 秀治(はら しゅうじ)

☆所属コンサルティング会社

株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・シニア コンサルタント(MBA)

・イノベーション ファシリテーター

・地域クラウドファンディングFAAVO福岡(プロジェクトマネージャー)

 

☆専門領域 (企業コンサルティング&研修講師)

・イノベーション思考

・問題解決思考

・未来セッション

 

☆開催セミナー&研修(主な実績)

・「わくわくイノベーション塾~地域の未来を考える~」毎月開催

・「地域×クラウドファンディング活用セミナー」随時開催

・「誰でも分かるアイデア発想法」ワークショップ

・「戦略的思考(問題解決)」研修

・「問題解決のビジネス交渉術」研修

・「問題解決リーダーシップ」研修

・「やさしいロジカルシンキング」研修

・「やさしいクリエイティブシンキング」研修

・   地方自治体職員向け「政策形成」研修

・「新入社員の心構え」研修

・「プレゼンテーション力」研修

 

☆株式会社 ビズ・ナビ&カンパニー

・福岡市中央区舞鶴3-1-10 セレス赤坂門4F

・tel:092-761-6130

・メール:shuji@biznavi.co.jp

・HP:http://www.biznavi.co.jp/

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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第58話)

第58話:マーケティングの思考や実行は、顧客が育てるものです。

 いつ行っても人だかりの絶えない店もあれば、いつ覗いてもひとりとして客の姿を見ることのない店があります。当然、前者の店には何気ない活力が感じられ、後者は薄暗い印象を与えてしまうもの。なおさら、外からの景色を見ても足を踏み入れようとする気が起きてきません。顧客と店との間に、循環する息遣いが感じられないのですから、例えその店ならではのオリジナルなものがあったとしても価値はないでしょう。

 それに比べて客の賑わいを見る店は、その店を飾る壁面の絵や小道具、働く人のごく普通の振る舞いまでが、他の店とは違った印象を与えるのですから不思議です。さしたる料理でもないのに、さながら料理の載った皿が何かを語りかけてくるようにすら感じます。空気自体に活気を感じさせます。店サイドが意図して生み出していることもあろうでしょうが、それ以上にこれは、一方的な店サイドの操作によるものではなく、その店にいる顧客が生み出しているようです。

 企業の提供する商品やサービスも同様です。例え、つくる側が納得して「これこそが最高のもの」と思っても、購入者・使用者側がその良さを評価しなかったならば、単なる企業サイドの独り善がりに過ぎなくなってしまいます。その逆に不安半分で上梓したものが、多くの顧客に支持され成長していくこともあります。

 営業担当者の成長過程にも、同じことが見られます。一生懸命に自分のことを売り込もうとする動き。商品説明に汗を流す姿。そのスタイルに共感をもってくれた顧客が、ある時は厳しく、ある時はやさしく導いてくれることがあるもの。顧客との関係を励みに、営業担当者も自らを磨こうとします。芸人の世界も同様で、見る人、聞く人がその芸人の芸に磨きをかけます。

 マーケティングは、まさに顧客との関係を生み出す思考と行動の体系です。「生み出された商品やサービスは顧客が育てるもの」との謙虚な姿勢が求められているのです。(第59話に続きます)

清野 裕司 氏 オフィスにて
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株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
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エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第35話)

第35話:成長戦略に不可欠なTPP合意

 安倍政権の成長戦略で、第3の矢の目玉であるTPPが締結されないと、成長戦略が後退してしまう可能性がある。

 安倍政権の成長戦略は、端的に言えば「日本をビジネスがしやすい国にするよ」ということである。では、なぜ日本はビジネスがしにくい国なのか?昔から日本には「産業の六重苦」があると言われている。

 六重苦のうち、TPPに関係するものに、経済連携協定の遅れ、労働規制の厳しさ、エネルギーコストが高いことが挙げられる。

 署名済みのものだけカウントすると、日本は主要国の中で経済連携協定の締結が最も進んでいない国となる。しかし、多数の国が参加するTPPが合意できれば、経済連携協定の遅れは大きく巻き返せることになる。

 労働規制の厳しさもTPPでビジネス環境もある程度統一されれば進む可能性がある。エネルギーに関しても、資源がある国と経済連携を組んで、できるだけ資源を安く調達するのが喫緊の課題であり、TPP合意がカギを握る。

 アメリカのシェールガスの輸出は、経済連携を組んでいる国に限定されているが、来年日本もアメリカのシェールガスを輸入できることが決定したのは、日本がTPP交渉に参加しているからである。

 さらに、TPPが実際に合意に至れば、チリなどの資源国から資源を優先的に輸入ができる。新たにシェールガス開発に取り組んでいるカナダとも日本の商社が合同で開発できるはずである。

 今回TPPが合意に至らなければ、この産業の六重苦を打ち破れず、経済政策の期待も下がる可能性がある。安倍政権への支持を支えているものは、株価が高水準なところである。先日、TPP合意が見送りになった際も株価が下落しており、合意が決まらなければ株価にも影響が及ぶ可能性がある。

 万が一、TPPが流れてしまった場合、各国と個別に経済連携協定を締結していく道を政府はとらざるを得なくなる。現に、今も日豪経済連携協定や、欧州連合(EU)との経済連携協定の話も進んでいる。

 政府の持っている青写真は、アジア太平洋地域において包括的で経済連携の強化を目指す米州自由貿易地域(FTAA)や、日中韓印豪NZの6カ国でつくる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)なども含め、世界全体で経済連携を組むということである。しかし、やはりTPPが合意に至らない限り、この構想を進めることはより困難になっていくだろう。(第36話に続きます)

永濱 利廣 氏
永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所 経済調査部
主席エコノミスト 永濱利廣

エコノミスト永濱氏の書籍をご案内させていただきます。書店やネット(下の写真をクリックしてください)でお買い求めいただけます。

永濱利廣著
永濱利廣著

図解 ピケティの「21世紀の資本」
トマ・ピケティの『21世紀の資本』が世界的に注目を集めました。
しかし、原著(日本語版)は700ページを超え、完全に読みこなすのは難しいものとなっています。
本書では、難解な点を図にまとめたほか、ポイントを絞って原著に忠実に全体を解説しています。
あわせて、ピケティの著書や発言を参考にして、日本における格差問題やアベノミクスの評価について独自の解説を加えています。
800円+税 ()イーストプレス http://www.eastpress.co.jp/shosai.php?serial=2378