清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く(第16話)

第16話:「感じる力」を高め「脳力」を鍛えましょう。

 最近の書店で、能力や脳力に関する書物,論文を多く見かけます。そもそも「能力」とは何なのでしょうか。

 ある現象や事象を見て、何故そのようなことが起きるのか、ありうるのかを考えることも能力のひとつです。自分の体験を照らしながら、過去の同様のものを思い起こし、パターンとして認識することもあるでしょう。今まで遭遇したことのない現象や事態を前にして、途方にくれる。しかし、何とかなるのではないかと思い、考えを巡らせ、ひらめくことがあります。自分自身は体験していないことであったとしても、ふとしたことで、解決の道筋が思い浮かぶ。その背景には何が力として働いているのかを、自分自身が承知していなくても、えもいえぬ力が湧き出てくる瞬間です。決して体験や文献から得た、頭の中に蓄積された知識だけではない力が働いているようです。

 長くマーケティング・ビジネスの中に身を置いていると、実にさまざまなテーマに出会います。そして、出会いの都度聞かれることがあります。「今までにこのようなことをやったことがありますか?」と。不思議な質問です。今までに誰もやったことのない分野やテーマのときにも、同じことを聞かれます。新しいビジネスモデルへの挑戦、新たなマーケティング戦略の構築・・・新たな挑戦が待っているのです。過去体験のパターン認識が出来る能力よりも、何かを生み出す力、挑戦しようとする力こそ求められるはずなのに、過去の実績事実にこだわる傾向がビジネス界にはあるのでしょうか。

 過去を紐解く能力よりも、テーマを想い続ける力、現象を目前にして、何かを感じる力こそが必要なのです。何をどのように考えるべきかに対する思考のプロセスに関しては、さまざまなモデルや方法論が紹介されていますが、現在のビジネス環境で重要なことは、現象や事象に接したときに何かを「感じる力」であり、新たなものを生み出すことを感じる「脳力」が必要なのです。(第17話に続きます)

清野先生のマーケティングの著書です。
清野先生のマーケティングの著書です。

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

Eメール: maps@mapscom.co.jp
URL: http://www.mapscom.co.jp

清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第15話)

第15話:「知識」は必要ですが、それ以上に「意識」が重要。

 何かを成し遂げようとした時、人は不安に駆られることがあります。今のままで良いのか、他にもっと良いやり方があるのではないか・・・。確認する術を持たず、今までに自分が知り得たことを基本に、もう一度筋道立てて、自分のやろうとしていることを説明しようとします。そこに働く力としては、ある時は累積された個人的な知識がものを言うことがあります。

 しかし一方で、知識だけでは解決できないことがあります。蓄積してきた知識では、今起きている現象を説明することが出来ず、また暗闇の中に入り込んでしまうこと、あの時に、もっと学んでおけば良かったと反省すること時です。そのような時に大いに発揮されるのが、本人の意識です。過去は問題ではなく、今起きている現実にどのように対処しようとするのかの、自分自身の意欲や対応の姿勢を問われているのだと、はっと気づきます。すると、それまでに思いもつかなかった方法が浮かんでくることがあります。誰かに習った方法ではなく、自分自身が編み出した道筋の発見です。

 理屈だけでは解決できないことが多く登場してくるのが、マーケティングの現場です。このような施策を展開すれば、顧客は間違いなく動いてくれるはずだと思うのですが、その通りの結果が生まれてこない。予期せぬことだらけ。そのような時には、過去に学んだことの、何とも脆弱なことかを思い知らされるものです。

 単なる表層的な「知っている事実」よりも、心底思い込んだ「まだ見ぬ未来」を実現しようとする意識が、どれ程の力になるかを知るときです。マーケティングが、「学」として存在するのではなく「論」として存在するのも、そこに意味があります。マーケティングは、自分自身が実行する「未来への道案内」なのです。(第16話に続きます)

清野 裕司 氏
清野 裕司 氏

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
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清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く(第14話)

第14話:「理論」は自分の説明力(論理)を見直す鏡です。

 マーケティングが日本のビジネス界に紹介されてほぼ60年。その間にさまざまな「理論」が語られ、マーケティング・ビジネスの道標となってきました。消費者の購買行動を説明するモデル、企業の多角化を導くモデル、事業構造の単位を見直す方法論、製品開発の一般プロセス・・・・枚挙にいとまのない理論が紹介され、かつビジネス現場で検証・活用されてきています。

 「理論」とは、『どの分野においても説明のできる“理屈”』と解釈できます。それだけに普遍性を持ち、意味がわかったつもりになるケースが多いものです。しかし、いかに多くの理論を知っても、多様なビジネスの現場にそのまま当てはまる訳ではないでしょう。個別的な意味転換・解釈が必要です。基本的な考え方は同質であったとしても、実行過程は企業の性格や対象商品・サービスによって多種多様だからです。

 理論を読み解いて、自らのものに置きかえる思考過程が必要です。「理論」の文字を逆転させる発想。「論理」の必要性です。「論理」とは、『自らの考えを説明する道筋』のこと。ある現象を自分なりにどのように解釈したのか。その理由付けを、他者が聞いてわかるように説明する力のことです。

 同じ現象にも、人によってさまざまな解釈があるでしょう。その一つひとつが理にかなっているのかどうかを見極めること。その際の判断尺度が「理論」なのです。「理論」は覚えるためにあるのではありません。個々の「論理」を補強し、確認するためにあるのです。

 マーケティング・スタッフに求められる資質は、「理論」を多く習うことで高まるのではなく、自らの思考回路を筋道たてて説明できる「論理」を学ぶ姿勢を持つことにより深まるのです。理論的知識を持つことよりも、論理力を持ったスタッフ能力が求められています。(第15話に続きます)

清野先生のマーケティングの著書です。
清野先生のマーケティングの著書です。

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
Eメール: maps@mapscom.co.jp
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The Kyushu ADVANTAGEが目指すコーポレートメッセージ(その3)

 海外への情報発信やプロモーションは急務だとみています。急がなければなりません。
 
 若干国内需要が喚起され、再度国内マーケットを再認識する動きも出てまいりましたが、今こそ海外向けに情報発信をしておかなければ、同じことをやるにしてもコストが膨大になり先送りのつけを払う羽目になりそうです。

 これを日本がJapan As No.1と言われた80年代と比較して考えてみたいと思います。

 この時代は日本のモノづくりが世界に評価され安定成長が続いていましたが、85年のプラザ合意後は円高不況に落ち込みました。しかし苦肉の策としての低金利政策が91年まで続く空前のバブルをもたらします。

 あっけなく終わったバブル崩壊後は20年におよぶ「失われた時代」のつけを負わされたのです。

 現在は震災の復興需要、アベノミクスの円安政策、そして2020年のオリンピック開催決定と環境が大きく変わってきました。

 私は2020年が日本の本当の勝負どころだと思っています。次の時代につなげられるかです。

 情報に関する環境もJapan As No.1の時と大きく変わっています。まずは、世界の情報量です。現在の1年分の情報は1980年代10年間の情報量にあたるそうです。

 一方で、マスメディアからインターネット、ソーシャルサイトの普及で、読む量は80年代の3倍にはなりました。が、発信量には追い付きません。

 このような中で、6年後の東京オリンピックに向けて、海外から日本への注目度はかなり上がってきます。それによって日本から海外に発信する情報量も20年までは毎年倍々に増えていくでしょう。円安がこれに拍車をかけています。

 問題は日本への関心度がピークを迎えるであろう6、7年後に私たちは本当に大切なことを海外の人たちに伝えられているのでしょうか。世界に注目されたバブル期、東京山手線内の土地価格合計でアメリカ全土が買えるなどの情報ばかりでした。その当時、日本人が本当に伝えなければなかったことがもっとたくさんあったはずです。

 今情報発信の大きなチャンスが到来しています。これから日本への海外からの関心が膨らんできます。おそらく、いろんな雑多な情報が日本から海外に伝わっていきますので、その中で本当に伝えたい情報を伝えるためのコストも年々倍々に膨れることでしょう。今始めるのがベストだと思います。3年、6年後を検討してやるのは同じことを伝えるのに何倍も労力がかかることを予想します。そのほうが広告代理店は儲かるのですが。

The Kyushu ADVANTAGE プロデューサー
株式会社ジパング・ジャパン代表 吉野晋吾

勉強会のご案内テーマ:テクノロジーが私たちの生活にどういう影響をもたらすのか

清水良胤氏
清水良胤氏

 大分気温が下がって、これから冬に向かっていこうとしている感じがします今日この頃ですね。山々の紅葉も大分標高が下がってきているようです。あと2-3週間もすると私たちの廻り木々も紅葉していくことでしょう。

 前回の勉強会では「グローバリゼーションは私たちの生活にどういう影響をもたらしているのか」をテーマに、ヴァンダナ・シヴァさんのビデオを鑑賞して、その後にワールドカフェを行いました。ビデオの中でモンサントという企業の世界戦略のために種子の自由が奪われ、27万人のインドの綿農家が自殺に追い込まれるというショッキングな出来事を知り、グローバリゼーションが民主主義を崩壊させるというヴァンダナ・シヴァさんの意見に啓発され、とても活発な議論が交わされ、とても有意義な時間を持つことができました。

 次回も社会的問題を扱ったビデオ鑑賞をして、ワールドカフェを行いたいと思います。そのためにいくつかのDVDを購入しました。工業化した食の問題を扱った「フードインク」、同じく飢餓に苦しむ人達と大量に廃棄される食料の問題に焦点を当てた「ありあまるごちそう」、そして20世紀に生まれた「遺伝子組み換え」と「原子力」の2つのテクノロジーが生み出す恐ろしい未来の現実という視点で問題提議をした「世界が食べられなくなる日」です。全部のDVDを観た結果、東日本大震災により原発の問題を抱えた今の日本に最もテーマ的に合っています「世界が食べられなくなる日」を上映することに致しました。<いのち>の根幹を脅かすこれら2つのテクノロジーの共通点は、もう後戻りができないこと、すでに世界中に拡散していること、そして体内に蓄積されやすいことです。8月末にDVDが販売されたばかりですので、皆さんもまだ観られていないかと思います。

 そこで次回ワールドカフェは「テクノロジーが私たちの生活にどういう影響をもたらすのか」をテーマに行いたいと思います。私たちは放射能の問題に直面しているので、前回以上に活発な議論が交わされることだと思います。対話を通して「場の叡智」が生み出される過程を楽しみましょう。

 そしてその後に、部屋を移り体系的なプラーナーヤーマ講座(ヨガの呼吸法)を開催します。普段なかなか体系的にお教えすることができませんでしたが、今回は準備のエクソサイズからプラーナーヤーマの全てをお伝えします。皆様が、自宅でいつでもできようになることを目指します。時間があればプラーナーヤーマの後に瞑想を行います。

 最近ではインテルやグーグルでも取り入れられている瞑想を中心としたマインドフルネス研修が注目を浴びておりますが、プラーヤーマは深い瞑想へと導く最高のテクニークとなります。また副交感神経を活性化しますので、身心の健康にとても有効です。

 次回も皆様と一緒に楽しい対話の場をつくり出し、創発的な体験をさせていただくことを楽しみにしております。最先端の組織開発の手法も、診断型から対話型に移行しております。ワールドカフェは対話型の最も基本となるワークです。私たちの未来は私たちの会話から生まれます。私たちの希望に溢れた未来をつくるために奮ってご参加ください。(勉強会は終了しました)