FORTUNE誌掲載「シャボン玉石けん」PR記事

天然素材の科学

 
海外市場拡大に向けてパートナーを募るシャボン玉石けん
シャボン玉石けん株式会社の森田隼人社長兼CEOの執務室の外側廊下には、体長2メートルのマグロの魚拓が壁に掛っている。体重80kgのこの見事なマグロは森田氏が2009年に釣り上げたものだが、この魚拓は、単なる同氏の個人的な記念として飾られているのではなく、この魚が育った環境に対する同社の深い思い入れを表わしたものだ。

 

「健康な体ときれいな水を守る」を基本理念とする「シャボン玉」(日本語で「石けんの泡」を意味する)は無添加(香料、着色料、酸化防止剤、合成界面活性剤を含まない)の天然素材石けんのみを製造している。パーム油、オリーブ油、苛性ソーダ、食塩などほんの数種類の成分を釜で一週間かけてじっくり炊き込んで作られる天然素材石けんは、敏感肌には最適であり、また多くの人が洗濯などの家事や、衛生のために毎日使っている合成化学物質を含む洗剤や石けんとは違って、植物や魚類、微生物に害を及ぼさない。
1910年創業のシャボン玉は長い間、合成洗剤を作っていた。しかし状況は1970年代中頃に、国鉄から受けたある要求を契機に一変した。「国鉄から、うちの合成洗剤を使うと車両がすぐに錆びてしまうと苦情を言われました」と森田氏は話す。「そして純粋な無添加の洗剤を開発するように求められたのです」
これは技術的には大きなチャレンジでしたが、注文額の大きさが決断させた。当時のシャボン玉の社長であった、森田氏の父親は、国鉄にその最終製品を納入する直前に、それを自宅で浴用に使って見た。すると、それまで何十年も先代社長を悩ませてきた首や手首、腰の周りの衣擦れによる湿疹が一週間で消えてしまったたことに、先代は感動した。

 
熱心な信奉者に
先代は、この経験から無添加石けんの素晴らしさの熱心な信奉者に転じた。合成洗剤を全面的に止めて、無添加石けんの生産に切り替えることを決意したのである。当時は合成品の方が、天然物よりも優れているように思われており、また環境問題を気にする者もほとんどいなかった。その結果はというと、1974年の、生産の切替えを行った月の石けんの売上高は、99%以上落ち込んだ。さらにこの赤字はその後17年間も続くこととなった。転機は1991年になってようやく訪れた。

通常の広告宣伝活動を行う資金はなかったため、先代は無添加石けんの素晴らしさを述べた「自然流『石けん』読本」を出版した。この本は、評判を呼び、現在では30刷を数えるに至っている。「時代精神が変わったのです。環境が舞台裏から表舞台に立ったのです」と森田氏は語る。「先代は、日本国中から招かれて講演をして回りました。売上高も実際に上向き始めました」
シャボン玉の伝統である消費者教育は今も続いている。2010年には、森田氏自身も「無添加の科学」というタイトルで本を出した。同氏も現在は全国を駆け巡って講演を行っており、また年間数万名の人々が九州にある同社の工場を見学しに訪れている。「口コミが当社の最良の販売方法です」と森田氏は話す。

 
健康に真剣に向き合う
森田氏は、シャボン玉石けんの典型的なユーザーを、皮膚障害や敏感肌の人、乳児の母親、そして自然で健康な生活を送ることに真剣な人々の3つのコア・グループに大別する。これらの人々の多くが「シャボン玉友の会」に入会しており、同会の20,000名の会員に対しては、商品購入時に特別割引が認められる他、隔月でニュースレターが配信されている。
では一般の消費者についてはどうなのか? 森田氏は「コア・グループ以外では、使用感に優れた良品質の石けんを望まれる方々すべてが弊社のターゲットです」と、意欲的である。ある調査によれば、ほとんどの女性は自分が敏感肌だと感じているとされ、これはまさにシャボン玉が正面から挑もうとしている分野に他ならない。多くの化粧品が「自然志向」を売りにしている現在でも、石けんはこのトレンドには出遅れており、開拓の余地は充分にあると、森田氏は指摘する。
同社は先頃、中国、ロシア、韓国の市場拡大を目指して、各国のディストリビューターと提携した。東南アジア諸国と米国への進出に向けた橋頭保の構築にも熱意を燃やす同氏だが、「わが社としても事業拡大はしたいが、わが社単独で進めるには経営資源が充分でない」と話す。同社は、新規ディストリビューターの発掘に向けて、各種の産業見本市には積極的に出品をしている。

 
消火剤
シャボン玉の海外市場攻勢でもう一つの有望な分野は、消火剤ビジネスである。驚くなかれ、消火器に使用されている泡は石けんの泡に他ならない。シャボン玉の製品ラインにとって、消火剤への進出は当然の論理的帰結であった。
石けんは、水の消火作用を高める。すなわち、石けんは水の表面張力を弱めるので、燃えている物体の消火に必要な水の量を減らすことができる。これによって、火がくすぶっている塀や木製の柱、壁のような物の内部に、水を深く浸透させることができる。また物体表面にへばり付くので、燃焼に必要な酸素が遮断される。
このように石けんベースの泡を用いることによって、消防隊は、大幅に少ない水で消火作業を行うことができる。これは、当然ながら、人々の家財道具や下層階の住人が水浸しになって台無しになるなどの巻き添え損害が減ることを意味する。

 
シャボン玉が消火剤の研究を始めたのは、北九州市消防局から依頼を受けた2001年からである。北九州市が無添加石けんメーカーを選んだのには、同市の歴史的な背景があった。日本の高度経済成長時代に環境汚染のホットスポットにもなった北九州市は、その反省の下に、環境技術と環境に配慮したライフスタイルの最先端都市となることを決意した。その一環として同市は、動植物の生態系への影響が最も少ない泡消火剤を消防車に搭載することを決めたのである。既存の消火剤は生物分解性が低いばかりでなく、実際には有毒でもあることを知った同市は、動植物に最も影響の少ない生物分解可能な泡消火剤を同市の消防車に搭載することを決めた。
シャボン玉は、建造物火災用の環境にやさしい消火剤を2007年に納めた。その次のステップは、同社が環境保全を社是にしていることから当然に、同消火剤を山火事用に適応させることであった。山火事は近年多発傾向が見られ、シャボン玉では、製品サンプルを世界各国の消防当局や防火器具メーカーにどんどん送り付けている。米国消防当局からは2年以内に承認を得られることが有望視されている。
シャボン玉の新たな国々そして新たな製品への進出に伴い、森田氏は、売上高を現在の7千2百万米ドル(60億円)から2020年には1億2千万米ドル(100億円)にまで拡大することを目標としている。「これが我々の目標ではあるが、数字を追うこと自体は目的ではない」と森田氏は述べ、次のように結んだ。「弊社では、人々が無添加石けんの素晴らしさを理解し、充分な情報を得た上で選択をされるようになることを望んでいます。21世紀の今、誰も環境のことを無視はできません」

 

(2011年11月21日号フォーチュン誌掲載記事日本語訳)

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