清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第109話)

第109話:体言だけのやり取りでは、会話に情緒がなくなってしまいます。

 日本語の文法は「尾括(びかつ)文」といわれ、結論を最後にもってきます。自らの意志を告げるのも、英語に代表される「頭括(とうかつ)文」のように、主語+述語といった端的なものではなく、案外持って回ったような言い方をすることがあります。だからこそ、最後に発する言葉が他人の心に強く残って、発信した人自体への評価に繋がったりするのです。

 「あの人は優しい人だ」とか「きつい人だ」といった言い方も、案外最後に発した言葉の強弱で評価されていることがあります。

 言い切りの言葉は、聞く側にとって強い印象を与えます。状況を語る場合にも、「市場の停滞が続いている」という表現よりも、「市場状況は停滞」と体言で切った方が強く感じます。ビジネス・プレゼンテーションの際でも同様のことが言えますが、ところが最近は、日常の会話の中で体言止に多く出会います。ファーストフードの店先では、日常茶飯事です。

 「コーヒー。ショート。」とオーダーする客。「120円になります。」と店側。なぜ「~になる」のだろうかと首をかしげていると、続いて客側が「あっ、それとポテト」。「サイズは?」と店。「M」。文章にすれば紙一枚も要さず、たかだか数行で終わってしまいます。それほど、口を開くのが億劫なのかと思ってしまいます。メールやLINEのやり取りに慣れ過ぎたのか、短文の、と言うよりも単語でのコミュニケーションです。体言止の前の、「体言」だけでのやり取り。言葉に情緒を感じません。

 マーケティングは、ある現象や事象を説明し、未来を読む思考と表現の体系です。とすれば、単語のやり取りだけでは説明しきれません。聞く側に心地良く、かつ理解を進めることが出来る表現を、体言だけに頼らずに表現する力が、マーケティング・スタッフには必要なのです。(第110話に続きます)

2016-11-16%ef%bc%9a%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e7%94%9f%e7%94%a3%e6%80%a7%e2%91%a0

 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b91

「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

※内容の案内/購入手続きはコチラ

http://www.mapscom.co.jp/kazewokiku.html

その他の書籍は下の写真をクリックしてください。

DSC_0165
その他の著書は上の写真をクリックしてアマゾンからご購入ください。

投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください