清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第103話)

第103話:勉強するのは、時と場を選ぶものではありません。

 ここ数年、企業のマーケティング・スタッフの方々と一緒になって、ビジネス・テーマを考える場に参画したり、企業内のスタッフの前で話をさせて頂く機会が増えてきました。一方通行的なものではなく、お互いに会話をしながら知恵を熟成させ、新たな発想を求めるワークショップ・スタイルのプロジェクトです。そのような場でよく聞かれることがあります。「マーケティングについて、どこで勉強するのですか」との問いです。この類の質問が、最も答えに窮するものです。

 個人的に日々の見聞自体が勉強と心得ている者にとって、改めて「どこで・・・」と聞かれても、「普段の生活で・・・」と答える訳にもいかない状況です。なぜならば質問を投げかけた側は、他者の前でマーケティングを語るのであれば、当然、学校や先生から教えて貰う場面があるはずと思い込んでいる節があるからです。「普段の生活場面が勉強の場です」などと答えたのでは、会話が進まなくなってしまいそうです。そこで、「このような場で話し合って、お互いに啓発しあうことが勉強です」と答える。やや不満な顔に出逢います。

 しかし、勉強するとは「知らないことをわかるようにする」「自分なりの解釈をする」「学問を体系的に理解する」と、さまざまなレベルがあるもの。どの段階にあっても、さまざまなアプローチがあります。学校で一般的な学問体系を「習い」、何を考えるべきかを知るという方法。先人の残した知の集積を書物を読むことによって「辿り」、個々の意味を理解する方法。他者の考え方や理解の内容を会話を通じて「聴き」、自分なりの体系的な整理をする方法。そのどれをとっても勉強です。しかも、これらのことは日常生活で繰り返していることでもあるのです。

 勉強とは、一方的にある方法を「習う」ことではありません。自分自身の解釈やアプローチの仕方を「組み立てる」プロセスです。そのように考えると、「勉強する」ことが楽しくなります。「習う」ことだけの底の浅さが見えてきます。日常生活が勉強の場であることを教えてくれているのは、「我以外みな師」の想いではないかと思います。(第104話に続きます)

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清野氏 法政大学 講義風景

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

Eメール: maps@mapscom.co.jp

URL: http://www.mapscom.co.jp

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投稿者:

ジパング・ジャパン

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