清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第87話)

第87話:物言わずとも語りかけてくるモノがあります。

 実に多くの商品に囲まれて生活しているということを、ふと実感する場面があります。家に居るときには感じないのですが、近くのスーパーや家電量販店に行き、自分の求める商品を探している時。また、ちょっと喉が渇いたので自動販売機で飲み物を買おうと機械の前に立った時。これほどまでに、似た商品が多種類あるのかと、ため息が出ることすらあります。

 マーケティング・スタッフとして多くの商品やサービスの中から、自分たちの生み出したものの差別的優位性をいかに伝え、いかに理解・納得されて購入してもらえるかを常に考える者としては、これだけ溢れかえった商品の中で、有意な差を示すことの難しさを実感する時です。しかし、多くの商品が並んでいる現実を、じっと見詰めていると、中にはこれは売れないだろうなぁ・・・と思わせるものがあります。どこが悪いというわけではないのですが、何となく訴えてくる力を感じない。ただ何となく棚に並んでいる。話しかけることもなく物静かなのです。それでは、手ののばしようもありません。

 一方できらきらと輝いて見えるものがあります。決してテレビ・コマーシャルで賑やかに自己主張しているわけではなく、新聞や雑誌に自分の姿をさらけ出しているわけでもないにもかかわらず、何かを話しかけてくるのです。パッケージのデザインがそのように見えることもありますし、周りに飾られた陳列レイアウトもあります。そして、そのときの状況にあった登場感も。要は、そのモノの持つ存在感です。その折には不要なものでもつい購入していることがあります。

 一方、最近のデパートでは、商品は物静かなのですが、取り巻きの販売担当者がモノを言います。しかも、相手である顧客を無視した一方通行の物言いです。もう少し、静かにしてもらえないかと思うとき。人が物言わずとも、存在感のある商品は、自ら声を発しているのですから。(第88話に続きます)

 

清野氏 法政大学 講義

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司

Eメール: maps@mapscom.co.jp

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ジパング・ジャパン

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