清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第63話)

第63話:マーケティング実践の姿勢に「メリハリ」は欠かせません。

 人の話を聞いて、内容よりもその語り口から深く印象に残ることがあります。語り口の妙でしょうか。ただ、だらだらと繰り返されるような話ではなく、心に残るキーワードが幾つもちりばめられていると、その言葉を聴いただけで、改めてその折の状況が思い起こされるものです。

 よく言われることですが、プレゼンテーションの場において、聞いている側が何を聞いたかを記憶しているのは、全体記憶総量100の内の7%ほどでしかないとのこと。それ以上に、話を聞いた時の状況については38%。誰から聞いたかという提案者自身のことの記憶が55%だといわれています。プレゼンターの人柄が問われる場面です。「あの人が言ったことだから信じられる」「あの人の話は昔から信じられない」といった声を聞くことがあります。話の内容そのものよりも、その周辺の情報の方が鮮明な記憶として残るということで、人柄という面もありますが、それ以上に話しっぷりです。歯切れ良い会話は、印象を強くし、記憶への刷り込みも、アクセント強く残るものです。

 その原点は「メリハリ」のある語り。「メリハリ」は「減り張り」です。一方的に自説を説き伏せるような発信だけでは、聞いている側が退(ひ)いてしまうでしょう。かといって弱々しければ、聞いている側は不安を感じてしまうもの。まさにそのバランスです。押すだけではなく退く。退くだけではなく押す。

 会議の場で、一方的に自説をとうとうと語るスタッフがいます。参加者の合意を形成しながら前に進めていく場でありながら、なかなか妥協しない。意味ある反発であるならばよいのですが、感情的な反発である場合が多いようです。これが厄介。たまには退いてみることも必要です。その方が共感者も増えることを忘れてはなりません。

 マーケティングにも「減り張り」は欠かせない。一時的に退いても、それは次の張り出しのための弾みをつける動作にも繋がっています。プランニングの妙がそこにあるのです。(第64話に続きます)

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
Eメール: maps@mapscom.co.jp
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ジパング・ジャパン

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