清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第59話)

第59話:マーケティングは、お客様との合意形成プロセスでもあります。

 同じ時に同じ場面の体験をしても、人によってその折々の印象や感覚は異なったものとして残るもの。ある人にとっては感動的なことであったとしても、他者にとってみればさしたる感動をもたらさないことがあります。人それぞれに、積み重ねてきた歴史や知見は異なるものですから、同じ刺激に対しての反応が異なるのは当然です。

 しかし、ある目的を持ってゴールを目指して多くのメンバーと共に行動をする際には、一人ひとりの感覚や感性を各自が勝手にゴリ押ししたのでは、ことは運ばなくなってしまいます。目的を共有し、目指すべき目標に向かってチームメンバーが合意のもとで力を合わせる。決してきれいごとではなく、日々の仕事はそのような動きをもって進みます。全員の合意が、責任の所在を不鮮明にするというのではなく、各自の役割を明解にしながら、多くの意志を統合することが、チームを預かるリーダーの役割にもなります。

 当然、全員が納得するとなれば、腹を割った話し合いも必要です。その議論の過程では、他者の意見に対する「反論」もあるでしょう。ただひたすら押し黙って、事の成り行きに身を任せ、決まったことを渋々やっていたのでは、プロジェクト自体が滞ってしまいます。また、所期の目的を達成することも難しくなります。「合意形成」とは、さまざまな意見を丸めて、総花的で角の取れた結論を導くことではありません。ある一人の人の意見に全員が賛同することもあります。たとえ「反論」があったとしても、何に対しても「反対」の姿勢では後ろ向きです。

 そのように考えると、マーケティングの思考の基本は、仲間やお客様との「合意形成」にあると捉えることが出来ます。(第60話に続きます)

清野 裕司 氏 オフィスにて
清野 裕司 氏 オフィスにて

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
Eメール: maps@mapscom.co.jp
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ジパング・ジャパン

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