清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第124話)

第124話:内(家)と外の区分けがぼんやりしてきているように思います。

 歳を重ねたことだけが理由ではなさそうです。最近の高校生と思しき若者の歩くスピード感の無さには、ほとほと嫌になることがあります。何も先を急ごうとあせって歩いているわけではありません。狭い地下鉄の階段を、すり抜けようとしているわけでもないのです。普通のペースで歩きたいと思っているだけです。しかし、それが思うに任せません。前をさえぎる集団がいるからです。しかもゆったりと、引きずるような歩み。

 ふと目を足元にやると、靴のかかとが踏み潰されています。スリッパを履いて、家の中を歩くスタイルです。無目的的で、無感動的なスタイルに見えます。日常の生活変化を体現することなく、ただ思うに任せて動いている印象さえ与えます。今自分がどこに居るのか、この環境ではどのような振る舞いをすべきなのかを意識せずにいるようです。家の中から一歩でた世界は外界であり、決して内包された囲いの中に居るのではないといった意識が欠落しているのでしょう。内側と外側といった対極的な区分け意識がなくなってきたのでしょうか。自分を中心とした内にこもってしまったのでしょうか。

 「自分探し」という言葉があります。自分の内面にある力が、どのような分野、どのような世界で活かされるのかを考ると言われます。であるならば、内的な思考回路ではなく、外界との接点を多く持つことが、自らの可能性の発見に繋がると思うのですが、決してそうではなく内的な思考に陥るようです。「内」と「外」との仕訳があいまいになっているのでしょうか。

 東京メトロのマナーポスターに、「家でやろう。Please do it at home.」の文字がおどったことがありました。家は「うち」です。自らの生活空間の外にある「世間」という存在が、いつの間にかこの国の風土から消えていってしまったように思えます。

 今日もまた、「内(家)」にいたまま「外」に出てきた通学・通勤スタイルを見る朝です。(第125話に続きます)

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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