清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く(第20話)

第20話:買物行動には「Shopping」と「Getting」があります。

 日本人の日常生活に、スーパーマーケットが根付いて既に40年強の時が流れました。業種別に分化された小売店が、消費者の購買態度に合わせた業態店へと変貌し、まさに様々な買い物に合わせた空間が登場してきています。スーパー(Super)を超越したハイパー(Hyper)や、相対的な低価格を売りものにするディスカウンター、ある分野(カテゴリー)での徹底的な商品の幅広さと奥行きを見せるカテゴリーキラー等々、百花繚乱の感があります。

 買い物行動には、目的的なものと衝動的なものがあります。全てを計画的に自らの生活に取り込むべく買い揃えるのではなく、何となく買ってしまい、後になって後悔の念に駆られた体験は誰もが持っているのではないでしょうか。あるひとつのものを購入するために、いくつもの店を見たり情報を集めて比較検討することもあるでしょう。検討の結果、目的物を獲得するために店に走ることもあります。前者的な行動が、店を見て回る“Shopping”、後者の行動は、獲物を得る“Getting”にあたります。

 最近の店を見ていると、多くGetting指向の狩猟場的な店に出会うことが多くなってしまいました。他者との差別的優位性を、圧倒的な商品数の陳列や低価格に求め、選択自由度を奪い去ったような店。「たくさんあるから買え!」「安いから買え!」の声が、そこからは聞こえてきてしまいます。

 購買行動は、目的物を獲る行為でしょうか。本来、自らが判断し選択する行為です。差別性とは、選択者である消費者に、選べる楽しさを見せる「魅せ(店)」なのです。ゆったりと見て回るShoppingを忘れたGetting行動では、購入したものへの愛着が生まれるでしょうか。私は疑問です。(第21話に続きます)

kiyonosense2015

株式会社マップス 代表取締役 清野 裕司
Eメール: maps@mapscom.co.jp
URL: http://www.mapscom.co.jp

投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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