清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く (第120話)

第120話:記録メディアより自分の記憶メディアが思い出を語ります。

 海外の名所旧跡の前で、おもむろにカメラを前に笑顔をつくる姿。日本からの団体観光客ご一行様の基本パターンとして、長く定着した光景でした。今も時おり見かけるスタイルで、決して悪いことではないと思います。自分の訪問した証を、何がしかの形にして残しておきたいという気持ちからの行動でしょう。最近は、そのカメラがほとんどデジカメやスマホです。

 風景の中にいる自分だけの世界を残そうとして、人が自分の前をさえぎらない瞬間を待ちながらシャッターを押す。公道でも、人が写真を撮っていると、遠慮がちに前をすり抜けていく。なぜそこまで気を遣わなければならないのかと思いつつも、お互い様の意識が働くのか、多くの人が同じような行動を取ります。自分自身のある瞬間を、とり残しておきたいとの想いは時を超えて同じようです。その際に、切り取った時間と空間をどのようなメディアに残しておくかが注目されます。

 かつてはフィルム。数日待って出来上がった写真を見て、思い出話に花が咲く・・・といった生活場面が思い浮かびます。自らの行動が、記録として残ります。それがいつの間にか、CDになりMOになりSDカード・HDDになりと、小さくなることは勿論、数日を待たずして、即刻残像を見ることが出来るようになりました。思い出としてよりも、その瞬間を確認するような行動へと転換したのです。

 外部にあるメディアに記録を残せば、その時の情景が再び想起されてきます。しかし、人は何よりもすばらしいメディアを体内に持って生活しているのです。記憶する脳。外のメディアではなく内なるメディアです。そこに何を書き込んでいるのでしょうか。旅行記,随想,記録の日誌でしょうか。

 「記録」のメディアは、本人の「記憶」のメディアの内容を確認する補助役に過ぎません。「記録」メディアにこだわってデジカメをわがもの顔で使うことよりも、脳にある「記憶」のメディアを常に鮮度高く磨く感性を持つことが、思い出の増幅には役立つものだと思うのですが。

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 2016年11月の九州生産性本部での授業風景
株式会社マップス 
代表取締役 清野 裕司

当ブログの寄稿記事を元に加筆編集しました新書が出ましたので是非お読みください。

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「清野裕司のマーケティング考 風を聴く」

今、経営に新たな思考力が求められています。市場にはどのような風が吹いているのでしょうか。風の音に耳を澄ませていると、次代に向けた風の通り道から、マーケティング思考で未来への道標が浮かんでくるかもしれません。それはまた、自分の心に吹く風の音を聴くことにも繋がるのではないか考えました。

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投稿者:

ジパング・ジャパン

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