清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く(第7話)

第7話:「分析」だけでは未来が描けません

 マーケティングの実践には「分析力」が重要である、という声をよく耳にします。市場の変化から新たなビジネスチャンスを発見しよういう掛け声も再三聞こえてきます。言葉では理解できるのですが、新たな機会がそうやすやすと見つかるものではありません。確かに、さまざまな変化を見るにあたって、大きく全体をつかまえることはなかなか難しいものです。顧客の好みや評価の声を分析する、といった時には、先ずは細かく分ける作業からはじめます。「顧客細分化」という言葉で説明されます。世の中の動きは、顧客の変化だけではなく、競争相手も動いています。そこで、業界の動きを細かく分類して、個々の変化を見ようとします。業界分析や競合分析といわれる分析です。

 細かく分けた状況について数値や事実を並べると、何となく自分なりに納得をしてしまい、これで「分析」は出来たと思ってしまう人もいるようです。しかしそれは、単にある状況を整理したに過ぎません。細やかに分けることは、作業の効率を高めることにはなりますが、「部分最適」を求めていることになってしまいます。マーケティングで必要なことは、市場全体が今どのように動いているのかという「全体最適」を考えることが求められます。

 「分析」と対になる視点が必要です。「分析」の反対語は何でしょうか?なかなか浮かんでこない言葉の一つではないでしょうか。

 そもそも、反対語を思い浮かべるのも案外難しいもの。小学生の頃に、「高い」の反対語は何かという問いに対して、「低い」と答えた者と「安い」と答えた者で教室が二分されたことがあります。共に正解です。であれば・・・、「分析」の反対は。実は「総合」です。

 細かく分けたならば、今度はそれらを統合して総合的に見ること。マーケティングの実践にはこの両面の見方が求められているのです。(第8話に続きます)

株式会社マップス  代表取締役 清野 裕司
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ジパング・ジャパン

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