清野裕司のマーケティング・コラム/風を聴く(第6話)

第6話:マーケティングは未来への物語を組み立てるガイド役

 現在は「経験経済」の時代といわれることがあります。商品やサービスの評価基準に影響を及ぼすのは、何事も顧客の経験が決め手になることをいいます。しかも、個人個人が持つ経験は異なっています。ある商品に対する思い入れも異なります。その人が生きてきた時代の環境が異なるからです。また同じような時代環境に生きたとしても、個人の感性による感じ方や接し方によって経験の深さが異なってきます。

 さらに時間が経過してくると、その体験が自分自身の物語になっていきます。直接に触れたことや見たこと、食べたもの、購入した場所や、その折の自分自身の感情が、経験談の脚色に花を添えることになるでしょう。

 場合によっては、小さな話が大きな話へと成長していくこともあります。実は自分自身の体験ではない他人から聞いた話が、自分の物語の中に入ってくることもあります。そして、一人一人の物語は終わることなく広がっていきます。子どもの時に食べた飴一つが、さながらダイヤモンドのような輝きを持ったモノになって主役を演じること。家族旅行のときに見た景勝地の景色。友人と過ごした学生時代の小旅行。そのような個人の体験は、物語のテーマでもあります。今自分の前にあるモノを判断する尺度は、実はそれまでに積み重ねた自らの経験がベースになった物語が基本になっているのです。

 日常の生活だけではなく、会社経営においても同じことが言えそうです。過去の自らの意思決定や戦略の設計など、その成果が今の会社の姿になっているのです。ということは、今の想いが2年後、3年後の会社のあり方を決めます。過去の経営判断に過ちが無かったかどうか、今の会社の実体が知らせています。多くの経験と、未来に対する想いの深い人は、長編小説以上の物語を語ってくれます。マーケティングは、過去を含めて未来の姿を夢想して語るストーリーを組み立てるガイド役でもあるのです。(第7話に続きます)

株式会社マップス  代表取締役 清野 裕司
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代表取締役 清野 裕司

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投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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