エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第224話)

第224話:年度後半は非製造業が悪化の可能性

 産業連関表では、各産業が生産活動を誘発される消費や投資、輸出等の最終需要項目とその依存度を確認することが出来る。そこで以下では、前回2015年と今回の調整局面の主因となった加工組立型製造業を中心に、最新の産業連関表(2015年)から読み取れる「最終需要項目別生産(付加価値)誘発依存度」について確認した。

 結果を見ると、産業「平均」では消費による誘発が最大となるが、消費増税とチャイナ・ショックによる前回調整の主因となった「輸送機械」も今回調整の主因である「電子部品」も輸出によって誘発される割合が最も大きい。しかし、その依存度を見ると、「輸送機械」が56.7%に対して、「電子部品」は74.6%とより輸出の依存度が高い。つまり、前回2015年は消費増税とチャイナ・ショックに伴う内外需の複合的な調整だったのに対し、今回は世界的な情報関連財の在庫調整に米中通商摩擦激化が重なったことによる外需主導の調整だったことによって、内需への波及が限定的になっていると推察される。

 以上より、今回の景気局面で製造業の景況感が悪い一方で非製造業が堅調な背景としては、世界的な情報関連財の在庫調整や米中通商摩擦の激化等により、「電子部品」等の中間財や、「はん用・生産用・業務用機械」等の資本財の生産や輸出が大きく落ち込んだ影響が指摘できる。また、いずれの部門も、過去の生産調整の中心となった「輸送機械」等の最終需要財に比べて、他部門への生産波及力や他部門の生産活動から受ける影響が小さいことも背景にあるといえる。

 しかし、足元では、10月に予定されている消費増税前の駆け込み需要の影響もあり、他部門への影響力が大きい「輸送機械」や「電気・情報通信機械」等の耐久消費財の消費が増えていることから、増税後はその反動減が警戒される。また、最終需要項目別の依存度で圧倒的に投資への依存度が大きい「建設」の需要についても、今秋以降にも五輪関連の建設特需がピークアウトして落ち込むことが警戒される。

 このため、仮に年後半に情報関連財の世界的な在庫調整が終了して「電子部品」や「はん用・生産用・業務用機械」関連の製造業が底打ちしても、逆に内需への波及が大きい耐久消費財や建設財の需要が落ち込めば、むしろ年度後半はこれまで底堅さを示してきた非製造業も落ち込む可能性があることには注意が必要であろう。(第225話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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〇「クレジットカードの仕組み」「なぜカンタンにお金が借りられる?」「友だちとのお金の貸し借り」「ものの値段の決まり方」「バイト代や給料の仕組み」「お金がなくなったときどうすればいいのか」「お金を増やすことはできるのか」「無料はほんとうに得なのか?」「君たちもすでに税金を払っている」「修学旅行や部活にだって保険はある」など、中高生の日常に身近なことから「お金とのつきあいかた」を教える。

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投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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