エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第206話)

第206話:今年のGWは10連休

 今年は、新天皇が即位する5月1日と即位礼正殿の儀が行われる10月22日が休日になる。これらの休日は国民の祝日扱いになり、4月30日と5月2日も休日となることから、今年のGWは10連休となる企業もある。

 一般的に、連休が増加すれば、娯楽、レジャー、外食等へ費やす時間が増え、これらの関連支出が増加することが予想される。ただし、製造現場で工場の稼働日数が減れば、生産量の抑制を通じて日本経済への押し下げ要因となる。

 そこで以下では、今年のGWが10連休になることが日本経済に及ぼす影響、すなわち改元がもたらす日本経済への影響を検討してみたい。

 まずは、旅行動向に対して及ぼす影響を検証してみよう。ここでは、JTB総合研究所が昨年12月20日に公表した「2019年の旅行動向見通し」を参考にした。これによれば、今年は旅行総消費額が前年比+2.8%の15.3兆円と予想されている。今年のトピックスを見ると、ゴールデンウィークなど2019年限りの祝日があるほか、大型スポーツイベントの「ラグビーワールドカップ2019日本大会」が開催される。なお、前年からの増加額が4,156億円程度であることからすれば、約0.1%のGDP押し上げ効果に相当し、総旅行延べ人数が3.1億人であることからすれば、一回当たり約4.9万円程度の平均消費額となる。

 10連休により、車による帰省ラッシュや国内旅行が増加すれば、車の給油の増加や、洗車や車両メンテナンスの需要も伸びるだろう。実際、最新の2011年産業連関表によれば、「宿泊業」の需要が1万円増加すると、「その他の運輸付帯サービス」分野の需要が489円増加する関係がある。

 しかし、企業活動への影響を見る場合には注意が必要であろう。というのも、例年4月下旬には上場企業の3月決算発表が本格化する。特に例年、5月上旬をピークに多い日には一日数百社が決算を発表する。従って、ここで10連休により営業日数が減少し、GW前後の限られた日程に決算発表が集中することになれば、発表会場の不足や決算内容を読み解く投資家への影響も無視できないだろう。人手不足が続く業界にも警戒が必要だろう。というのも、10連休で長期不在となる世帯が増えることになれば、連休前にネット通販の駆け込み需要が発生する可能性があり、配送面でトラブルが多発することにもなりかねない。

 また、GW中はイベントや小売・外食等の販促、引越しなど大量の短期バイト募集が発生することが予想され、採用する企業側からすると、より時給を上げないと人手が確保できなくなる可能性もありそうだ。(第207話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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