エコノミスト永濱利廣の経済コラム (第216話)

第216話:今年度は増収減益の見込み

 6月13日に公表された4-6月期法人企業景気予測調査は、5月下旬にかけて金融・保険を除く資本金10億円以上の大企業約4千社に対して行った景気予測調査であり、今期業績計画の修正度合いを予想するための先行指標として注目される。

 そこで今回は、7月下旬からの四半期決算発表で堅調な今年度計画が見込まれる業種を予想してみたい。

 まず売上高を見ると、19年度は前回調査から上方修正となるものの、直近2年間の同時期計画よりも増収率が低い計画となっている。このことから、四半期決算でも売上高が上方修正となる業種には注目が集まるものと推察される。

 一方、経常利益は前回調査でも前年比▲0.4%の減益計画となっていたものの、減益率は同▲3.3%と前回調査から大幅に下方修正されている。このことから、7月下旬からの四半期決算発表では、経常利益計画の下方修正も出てくることが予想される中、上方修正となる業種には注目が集まるものと推察される。

 以下では、7月下旬からの四半期決算で売上高の上方修正が期待される業種を見通してみたい。19年度の業種別売上高計画前年比を前回1-3月調査と今回4-6月調査で比較し、この3ヶ月の修正状況を見ると、増収業種の中で最も上方修正幅が大きいのは、自動車賃貸業やスポーツ・娯楽用品賃貸業等を含む「その他の物品賃貸」であり、前年比+1.4%→+12.7%と+11.3ptの上方修正となっている。それに続くのが、洗濯・理容・美容・浴場業や旅行・家事サービス・衣類裁縫修理・物品預り・火葬墓地管理・冠婚葬祭業を含む「生活関連サービス」の同▲1.1%→+4.6%、「建設」の同▲3.3%→+1.2%と、いずれもこの3ヶ月間で大幅に上方修正されている。

 従って、特にサービス業の中でも企業の人手不足等に伴う所得の増加や働き方改革などに伴う余暇時間の拡大を取り込んだ企業では、四半期決算でも上方修正の可能性が高い業種として注目されよう。また、不動産も人手不足に伴うオフィス需要が旺盛のようだ。一方、足元の原油価格の下落に伴い、燃料調整費単価が下がる電気・ガス・水道業等では売上高が下方修正となることが予想される。

 続いて、経常利益計画から19 年度の業績を牽引することが期待される業種を見通してみると、増益率が最も大きいのは、原油急落に伴うマージン悪化や在庫評価損で昨年度が大幅減益となった「石油・石炭製品」の+59.2%ptとなる。それに続くのが、燃料価格や原料の古紙調達価格が落ち着いた「紙・パルプ」の+36.2%pt、昨年度に設備老朽化に伴う操業トラブルが相次いだ「鉄鋼」の+15.9%ptとなる。

 このように、今期の経常利益見通しでは、増益幅の大きい業種として、昨年度に原油をはじめとした市況価格急変動の悪影響を受けた紙・パルプや石油・石炭製品、電気・ガス、鉄鋼に関連する企業が期待される。これら以外の業種でも、人手不足の恩恵を受けやすい職業紹介・労働者派遣業が二けた増益計画を立てていることにも注目だろう。(第217話に続きます)

永濱 利廣 氏

第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
永濱利廣

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〇「クレジットカードの仕組み」「なぜカンタンにお金が借りられる?」「友だちとのお金の貸し借り」「ものの値段の決まり方」「バイト代や給料の仕組み」「お金がなくなったときどうすればいいのか」「お金を増やすことはできるのか」「無料はほんとうに得なのか?」「君たちもすでに税金を払っている」「修学旅行や部活にだって保険はある」など、中高生の日常に身近なことから「お金とのつきあいかた」を教える。

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投稿者:

ジパング・ジャパン

「にっぽん」を世界へ、情報発信していく会社です。

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